Follow
死を意識し始める領域 | 生前整理

生前整理 20代のやり方|デジタル断捨離で身軽になる始め方

生前整理 20代のやり方|デジタル断捨離で身軽になる始め方

「生前整理って高齢者がやるものでしょ?」と思っている20代は多いはずです。でも実は、20代こそ生前整理を始めるのにいちばん向いている年代です。体力も判断力も十分にあり、しがらみも少なく、これから増えていく「モノ」「データ」「お金」をスタート地点でコントロールできるからです。

この記事では、20代の生前整理のやり方を「モノ→デジタル→お金→情報」の順で具体的に解説します。とくにスマホの中の写真・データ・サブスクといったデジタル領域は、若い世代ほど量が多く後回しにしがちなので、手厚く取り上げます。ミニマリスト的に身軽に暮らしたい人にも、もしもの備えをしておきたい人にも使える内容です。

TOC

生前整理とは?20代が若いうちにやる3つの意味

生前整理とは?20代が若いうちにやる3つの意味|20代の生前整理

生前整理とは、自分が元気なうちに、持ち物・デジタルデータ・お金・大切な情報を整理しておくことです。「死ぬ準備」という重いイメージを持たれがちですが、20代にとっての本質は「今の暮らしを軽くして、未来の自分と家族の手間を減らす」という前向きな作業です。なぜ20代のうちにやる意味があるのか、3つに分けて説明します。

1. 身軽になって、暮らしと頭がスッキリする

20代は引っ越し・転職・同棲・結婚など、生活が大きく動くタイミングが連続します。モノやデータが少ないほど、こうした変化に身軽に対応できます。クローゼットがパンパンだと「何を着るか」で毎朝迷い、スマホの容量がいっぱいだと必要なデータを探すのに時間がかかります。生前整理で持ち物の総量を減らすと、選択にかかる時間と心の負担が同時に軽くなります。これはミニマリストの考え方とも重なる部分です。

2. もしもの備えになる(事故・病気は年齢を問わない)

事故や急病は年齢に関係なく起こります。もし自分が突然入院したり連絡が取れなくなったとき、家族はあなたのスマホのロックを解除できず、どんなサブスクを契約しているのかも、ネット銀行にいくら入っているのかも分かりません。20代でも、スマホ・SNS・ネット口座・サブスクは確実に持っています。これらを整理して「いざというとき家族が困らない状態」にしておくのが、現代版の生前整理です。

3. 自分のお金とモノの「全体像」を把握できる

生前整理をすると、「何にいくら払っているか」「何を持っているか」が一目で分かるようになります。とくに使っていないサブスクの洗い出しは、そのまま固定費の節約につながります。月500円のサービスでも、年間6,000円、10年で6万円です。20代のうちに自分のお金とモノの全体像をつかんでおくと、無駄な支出を止め、貯蓄や投資に回す判断がしやすくなります。生前整理は、お金の見える化の第一歩でもあるのです。

生前整理そのものをもっと広く知りたい人は、生前整理のカテゴリー記事もあわせて読んでみてください。

20代の生前整理のやり方|「モノ→デジタル→お金→情報」の順で進める

1モノを断捨離する「1年使わなかったら手放す」を基準に、服・本・思い出の品など物理的な持ち物を種類ごと…2デジタルを整理するスマホの写真・動画を整理し、不要なメールやアプリを削除。サブスクを棚卸しして使ってい…3お金を整理する銀行口座・証券・電子マネー・固定費を一覧にまとめ、どこにいくらあるかを把握する。使っ…4情報をエンディングノートにまとめるスマホのロック解除のヒント、サブスクや口座の一覧、希望、緊急連絡先を記す。パスワード…
図:20代の生前整理のやり方

生前整理は、進める順番が大切です。20代におすすめなのは、取りかかりやすい順に「①モノ → ②デジタル → ③お金 → ④情報」と段階を踏むやり方です。いきなりエンディングノートから書こうとすると挫折しやすいので、まずは目に見える持ち物から手をつけ、少しずつデジタル・お金・情報へと進めます。

  1. モノの整理:服・本・思い出の品など、物理的な持ち物を減らす
  2. デジタルの整理:写真・データ・サブスク・アカウントを整える
  3. お金の整理:銀行口座・証券・固定費・電子マネーを一覧にする
  4. 情報の整理:パスワードや希望をエンディングノートにまとめる

一気に全部やる必要はありません。「週1回・30分」のように小さく時間を区切って進めるのが、続けるコツであり、最大のポイントです。次の章から、各ステップを具体的に解説していきます。

ステップ1:モノの減らし方のコツ(断捨離から始める)

生前整理でいちばん始めやすいのが、モノの断捨離です。判断がしやすく、成果が目に見えるので、最初の達成感を得やすいステップです。20代向けに、迷わず減らせるコツを紹介します。

「1年使わなかったら手放す」を基準にする

判断に迷うのは、基準がないからです。「1年間使わなかった・着なかったものは手放す」という明確なルールを決めると、一気にスピードが上がります。服・靴・バッグから始めるのがおすすめです。「いつか使うかも」のモノは、たいてい使いません。まだ使えるものはフリマアプリやリサイクルショップで売れば、お金にも変わります。

カテゴリーごとに、場所ではなく「種類」で攻める

「今日は引き出し」ではなく、「今日は服」「今日は本」というように、種類ごとに全部を一度に見直すと、自分が同じものをどれだけ持っているかが分かります。同じような黒のTシャツが5枚出てきた、という発見はよくあります。種類単位で持ち物の量を把握すると、重複しているものを減らしやすくなります。

思い出の品は「写真に撮ってから手放す」

手紙・チケット・記念品など、捨てづらい思い出の品は、写真に撮ってデータとして残せば、モノ自体は手放せます。現物がなくても思い出は消えません。物理的なスペースを空けつつ気持ちの整理もできる、20代にぴったりの方法です。ただし、データが増えすぎると今度はデジタルが散らかるので、次のステップとセットで考えましょう。

ステップ2:デジタルの整理|写真・データ・サブスクをスッキリさせる

ここが20代の生前整理でいちばん重要なパートです。若い世代はスマホ・SNS・クラウドに膨大なデータを持っており、これらは「デジタル遺品」として、いざというときに家族が手をつけられない厄介な存在になります。生きている今のうちに整理しておくことを「デジタル終活」と呼びます。写真・データ・サブスク・アカウントの4つに分けて進めましょう。

写真・動画を整理する

スマホの中で最も容量を食い、最も放置されがちなのが写真と動画です。次の手順で整理します。

  • スクリーンショットや重複写真など、明らかに不要なものをまず削除する
  • 残したい写真はクラウド(GoogleフォトやiCloudなど)にバックアップする
  • 他人に見られたくない写真・動画は、見られて困らないうちに自分で削除しておく

3つめは特に大切です。デジタル遺品は、自分が亡くなったあと家族が見る可能性があります。「見られたくないものは生きているうちに消しておく」のが、デジタル整理の鉄則です。

データ・メール・アプリを整理する

使わなくなった古いメールやアプリ、ダウンロードしたまま放置しているファイルを削除します。とくにメールには、通販や金融サービスの登録情報が紐づいていることが多いので、不要なアカウントを見つける手がかりにもなります。スマホのホーム画面を、本当に使うアプリだけに絞ると、毎日の操作も快適になります。

サブスクを棚卸しして、使っていないものは解約する

動画配信・音楽・アプリ課金・有料会員など、20代は無意識に複数のサブスクを契約しているものです。一度すべて書き出して棚卸ししましょう。確認場所は次のとおりです。

  • App Store/Google Playの「サブスクリプション」一覧
  • クレジットカードの利用明細(毎月同じ金額の引き落とし)
  • メールに届く「お支払い完了」「自動更新」の通知

使っていないものはその場で解約します。これだけで固定費が下がり、お金の節約に直結します。国民生活センターも、ネットサービスの契約状況や自動更新設定を定期的に確認し、不明な契約には早めに対処するよう注意を呼びかけています(国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」)。スマホの中の「見えない契約」を放置しないことが、自分のためにも家族のためにもなります。

SNS・アカウントの方針を決めておく

使っていないSNSアカウントやサービスは、思いきって退会・削除します。残すものについては、「もしものとき、このアカウントはどうしてほしいか」を考えておきます。たとえばInstagramやFacebookには、亡くなった後にアカウントを「追悼アカウント」にする機能があります。SNSが生活の中心にある20代だからこそ、自分の「デジタルの分身」をどうするかを一度決めておく価値があります。

デジタル領域の整理手順をさらに詳しく知りたい人は、デジタル終活のやり方の記事で具体的に解説しています。

ステップ3:お金の整理|口座・固定費・電子マネーを一覧にする

生前整理のイメージ|20代の生前整理

20代でも、銀行口座・ネット銀行・証券口座・電子マネー・ポイント・暗号資産など、お金に関わるサービスは意外と分散しています。これらを一覧にまとめておくことが、お金の整理です。次の項目を書き出してみましょう。

  • 使っている銀行口座(ネット銀行を含む)と、その用途
  • 証券口座・つみたてNISA・暗号資産などの資産
  • PayPay・楽天ペイなどの電子マネー、貯まっているポイント
  • 毎月の固定費(家賃・通信費・サブスク・保険)

ネット銀行や証券口座は、通帳もカードも手元になく、スマホアプリの中だけで完結していることが多いため、本人以外には存在すら気づかれません。一覧化しておけば、もしものとき家族が把握できるだけでなく、今の自分が「どこにいくらあるか」を管理する家計簿としても役立ちます。使っていない口座は解約して、数を減らすのもおすすめです。

ステップ4:情報の整理|エンディングノートと連携させる

モノ・デジタル・お金を整理したら、最後にそれらの情報を1か所にまとめます。ここで役立つのがエンディングノートです。エンディングノートは高齢者だけのものではなく、20代の生前整理の「ゴール地点」として最適なツールです。

エンディングノートに書いておきたいこと

  • スマホやPCのロック解除に関するヒント
  • 契約中のサブスク・SNS・ネット口座の一覧
  • 銀行・証券口座など、お金に関する情報
  • 「このアカウントは削除してほしい」などの希望
  • 緊急時に連絡してほしい人

パスワードは「そのまま書かない」のが鉄則

注意したいのが、IDやパスワードの書き方です。ノートにそのまま書くと、紛失・盗難のときに悪用される危険があります。パスワードは直接書かず、自分だけが分かるヒントや暗号化したメモにとどめるのが安全です。たとえば「いつものパスワード+誕生日」のような書き方なら、本人と家族には推測できても、第三者には分かりません。安全性を高めたい場合は、パスワード管理アプリを使い、その存在だけをノートに記しておく方法もあります。

何をどう書けばいいか迷う人は、エンディングノートの書き方と項目の記事を参考にすると、空欄を埋めるだけで情報の整理が進みます。

20代が生前整理を続けるための4つのコツ

生前整理は一度やって終わりではなく、続けて更新していくものです。20代が無理なく習慣化するためのコツを4つ紹介します。

1. 「週1回・30分」だけと決める

まとまった休日に一気にやろうとすると、疲れて続きません。「週に1回、30分だけ」と小さく区切れば、自然と整理が進みます。1回で1カテゴリー、と決めるのも効果的です。

2. 引っ越しや誕生日を「見直しの日」にする

引っ越し・誕生日・年末年始など、節目のタイミングを定期的な見直し日に設定すると、忘れずに更新できます。とくに引っ越しはモノを減らす絶好の機会です。サブスクやアカウントの棚卸しは、年に1回でも十分です。

3. 完璧を目指さない

「全部きれいに終わらせなきゃ」と気負うと挫折します。生前整理は、やった分だけ確実に身軽になります。今日サブスクを1つ解約しただけでも前進です。完璧ではなく、継続を目指しましょう。

4. 整理した状態を「キープ」する仕組みを作る

新しいモノを1つ買ったら1つ手放す、新しいサブスクに登録したらノートに追記する、といったルールを作ると、整理した状態をキープできます。減らすことより、増やしすぎないこと。これが20代から始める生前整理を一生もののスキルにするコツです。

まとめ:20代の生前整理は「身軽さ」と「備え」を同時に手に入れる

20代の生前整理は、「モノ→デジタル→お金→情報」の順で、週1回30分ずつ進めるのがおすすめです。モノを減らして暮らしを身軽にし、写真・データ・サブスクといったデジタルを整え、お金の全体像をつかみ、最後にエンディングノートで情報をまとめる。これだけで、今の生活が快適になると同時に、もしものときの備えも整います。

とくにデジタルの整理は、若い世代ほど効果が大きい部分です。まずは今日、スマホのサブスク一覧を開いて、使っていないものを1つ解約することから始めてみてください。生前整理は、未来の自分と大切な人へのいちばん身軽な贈り物です。終活全体の進め方を知りたい人は、終活のカテゴリー記事や、運営者について知りたい人はDeath Tech Japanについてもご覧ください。