終活は何から始める?若い世代向け最初の3ステップ

「終活」と聞くと、年配の人がやるもの、人生の最後に準備するもの——そんなイメージがあるかもしれません。けれど20代・30代の若い世代でも、終活を始める人は確実に増えています。SNSアカウントやスマホの中の写真、ネット銀行やサブスクの契約、家族にも言っていない希望。これらは年齢に関係なく、いまのあなたが持っている「もしもの時に整理が必要な情報」です。
とはいえ、いざ始めようとすると「終活 何から始めるのが正解なんだろう」と手が止まってしまう人がほとんどです。この記事では、若い世代が終活を何から始めるべきかを、最初の3ステップにしぼってわかりやすく解説します。難しい準備や高額なサービスは必要ありません。今日スマホ1台でできることから順番に紹介していきます。
終活は何から始める?答えは「現状把握」と「エンディングノート」

結論から言うと、終活を何から始めるか迷ったら、答えはひとつです。まず「現状把握」をして、それを「エンディングノート」に書き出すこと。これが終活のスタート地点であり、若い世代にとっても最初の一歩になります。
現状把握とは、自分がいま何を持っているかを知ることです。お金、契約、デジタル情報、人間関係。これらを一度棚卸しして「見える化」します。そして書き出す場所がエンディングノートです。エンディングノートは遺言書のような法的な書類ではなく、自分の情報や希望を自由に書き残しておくノートのこと。決まった形式はなく、市販品でもアプリでも、手持ちのノートでも構いません。
なぜこの2つから始めるのかというと、終活でやるべきことの多く——お金の整理、デジタル情報の管理、家族への意思の共有——は、すべて「現状を把握して書き出す」ことが土台になっているからです。逆にここを飛ばして「お墓を考えよう」「保険を見直そう」と先に進むと、何を基準に選べばいいか分からず手が止まります。だからこそ、最初は難しく考えず、現状把握とエンディングノートからスタートするのが最短ルートです。
そもそも終活とは何か
終活とは「人生の終わりに向けた活動」の略で、自分の最期や、その後に残される家族のために行う準備全般を指します。具体的には、財産や持ち物の整理、医療・介護の希望の整理、葬儀やお墓の希望、デジタル情報の管理などが含まれます。
ただ、終活は「死ぬための準備」ではありません。むしろ自分の持ち物やお金、やりたいことを整理することで、これからの人生をどう生きたいかを見つめ直す活動です。20代・30代でも、お金の流れを把握したり、不要なサブスクを解約したり、家族と将来の話をしたりすることは、いまの暮らしをそのまま良くしてくれます。終活は「未来の自分と家族への思いやり」だと考えると、若いうちに始める意味がよく分かります。
終活全体の考え方や進め方をもっと知りたい人は、終活に関する記事一覧もあわせて読んでみてください。
若い世代が終活を始める前に知っておきたいこと
具体的なステップに入る前に、若い世代ならではの前提を確認しておきましょう。ここを押さえておくと、終活への心理的なハードルがぐっと下がります。
20代・30代の終活は「身軽だからこそ」やりやすい
年配の人の終活は、長年ためた財産や持ち物が多く、整理に時間がかかります。一方、若い世代は持ち物も契約もまだ少なく、家族関係もシンプルなことが多いです。つまり整理する対象が少ない今のうちこそ、終活を始めやすいタイミングだということ。いま全体像をつかんでおけば、これから財産やアカウントが増えても、その都度書き足すだけで済みます。ゼロから始めるより、土台を作ってから育てるほうが圧倒的にラクです。
若い世代の終活はデジタル情報の比重が大きい
若い世代の終活が年配の人と大きく違うのは、持ち物の多くがデジタルである点です。スマホの中の写真、SNSアカウント、ネット銀行や証券口座、サブスクの契約、クラウドに保存したデータ。これらは目に見えないため、本人以外には存在すら分かりません。もしもの時、家族がパスワードを知らなければ、解約も整理もできず、残された人を長く困らせてしまいます。だからこそ若い世代の終活では、デジタル情報の整理が特に重要になります。これについては後の章で詳しく解説します。
終活を何から始める?最初の3ステップ
ここからは具体的な進め方です。終活を何から始めるか迷ったら、次の3ステップを順番にやってみてください。すべて今日からスマホ1台で取りかかれます。完璧を目指さず、まずは7割の精度で書き出すのがコツです。
ステップ1:エンディングノートを1冊(1つ)用意する
最初にやるのは、書き出す場所を決めることです。エンディングノートは大きく3つの選び方があります。
- 市販のエンディングノート:書店や文具店、100円ショップなどで手に入ります。項目が印刷されているので、空欄を埋めるだけで進められます。
- 自治体の無料エンディングノート:多くの市区町村が無料で配布・PDF公開しています。「お住まいの市区町村名 エンディングノート」で検索すると見つかります。基本項目にしぼられているので、最初の1冊に向いています。
- アプリ・スマホのメモ:デジタルに慣れた若い世代なら、終活アプリやスマホの標準メモアプリでも十分です。いつでも書き足せて、検索もしやすいのが利点です。
- お墓やお葬式の生前契約:若い世代でいま契約まで進める必要はほとんどありません。希望があればエンディングノートに「こうしたい」とメモしておけば十分です。
- 正式な遺言書の作成:大きな財産や複雑な事情がなければ、急いで作る必要はありません。まずはエンディングノートで気持ちを整理することから始めましょう。
- 大規模な断捨離や生前整理:持ち物が少ない若い世代は、無理に大量処分をしなくて大丈夫です。普段の片付けの延長で十分です。
- 高額な終活サービスへの加入:最初からお金をかける必要はありません。無料でできることから始めて、必要になったら検討すれば問題ありません。
- 完璧を目指さない:空欄があってもかまいません。書ける項目から埋めれば、それで前進です。
- 一気にやろうとしない:一日15分でも十分です。全部を一度に終わらせる必要はありません。
- 節目に見直す:就職、引っ越し、結婚、新しいサービスの契約。生活が変わったタイミングで読み返し、書き足すと自然に最新の状態が保てます。
- デジタル終活を深める:アカウントやサブスクの整理をさらに進め、もしもの時の手続きまで具体的に決めておく。
- エンディングノートの項目を埋めていく:最初に飛ばした項目や、思いついた希望を少しずつ書き足す。
- 家族の終活も一緒に考える:自分の終活を入り口に、親や祖父母の備えについても家族で話してみる。
どれを選んでも問題ありません。迷ったら、まずはスマホのメモアプリに「エンディングノート」という1つのメモを作るだけでOKです。大切なのは形式ではなく、書き始めることです。エンディングノートの具体的な書き方や項目は、エンディングノートの書き方と項目を解説した記事で詳しく紹介しています。
ステップ2:お金とデジタル情報の現状を書き出す
ノートを用意したら、次は現状把握です。若い世代がまず書き出すべきは、次の2つです。
お金の情報:使っている銀行口座(ネット銀行を含む)、クレジットカード、証券口座、加入している保険、奨学金やローンの有無。金額まで細かく書く必要はありません。「どこに何があるか」が分かれば十分です。
デジタルの情報:契約しているサブスク、よく使うSNSアカウント、ネット上のサービス。月額課金しているものを書き出すと、それだけで使っていないサービスが見つかり、節約にもつながります。
ここで注意したいのが、パスワードそのものをノートに直接書かないことです。ノートを紛失したり、第三者に見られたりすると危険だからです。パスワードは「パスワード管理アプリにまとめている」「このメモのこの場所にある」など、たどり着く手がかりだけを残すのが安全です。
ステップ3:家族に「ノートがあること」だけ伝える
最後のステップは、書いたノートの存在を家族や信頼できる人に伝えることです。どれだけ丁寧に書いても、もしもの時にその存在を誰も知らなければ、ノートは役に立ちません。
中身を全部見せる必要はありません。「終活のノートを作った」「もしもの時はここを見てほしい」と、置き場所だけ伝えれば十分です。照れくさければ、LINEで一言送るだけでも構いません。この一手間があるかないかで、ノートが本当の意味で役立つかどうかが決まります。
この3ステップを終えれば、終活の最初の一歩は完了です。あとは思い出したときに少しずつ書き足していけば、あなたの終活は自然に育っていきます。
若い世代が優先すべき3つのこと
3ステップを終えたら、若い世代が特に力を入れるべきポイントを押さえておきましょう。年配の人の終活とは優先順位が異なります。次の3つを意識すると、若い世代の終活はぐっと実用的になります。
1. デジタル情報の整理(デジタル終活)
前述のとおり、若い世代の持ち物の多くはデジタルです。スマホやパソコンの中身、SNS、ネット上の金融サービスは、本人しか把握していないことがほとんど。これらを整理しておくことを「デジタル終活」と呼びます。
デジタル終活で大切なのは、(1)どんなアカウント・サービスを使っているかをリスト化する、(2)もしもの時に家族がアクセスできる手がかりを残す、(3)見られたくないデータの扱いを決めておく、の3点です。SNSには亡くなった後にアカウントを追悼アカウントにしたり、削除を申請できる機能もあります。デジタル終活の具体的なやり方は、デジタル終活のやり方を解説した記事で手順を追って紹介しています。
2. お金の流れを把握する
2つ目は、お金の現状把握です。これは終活であると同時に、若い世代にとっては将来設計そのものでもあります。収入と支出、貯金、加入している保険、ローンや奨学金。これらを一覧にすると、自分のお金の全体像が初めて見えてきます。
特に確認しておきたいのが、自動で引き落とされている固定費です。使っていないサブスク、惰性で続けている保険、二重になっているサービス。書き出すだけで無駄が見つかり、毎月の支出を減らせます。終活がきっかけで家計が整うのは、若い世代ならではのメリットです。
3. 家族と将来について話す
3つ目は、家族とのコミュニケーションです。終活というと一人で黙々と進めるイメージがありますが、もっとも大切なのは家族との対話だと言えます。もしもの時の希望、医療や延命に対する考え、大切にしているもの。こうした話は、いざという時には聞けません。元気なうちに、雑談の延長で少しずつ共有しておくことに意味があります。
同時に、親や祖父母の終活について一緒に考えるきっかけにもなります。自分の終活を入り口に「うちはどうする?」と家族で話してみると、世代を超えた備えにつながります。20代でやることをもう少し具体的に知りたい人は、20代の終活でやることをまとめた記事も参考になります。
やらなくていいこと・焦らないためのコツ

終活の情報を調べていると「あれもこれもやらなきゃ」と不安になることがあります。けれど若い世代の場合、今すぐやらなくていいことも多くあります。ここを知っておくと、肩の力が抜けて続けやすくなります。
いま無理にやらなくていいこと
焦らず続けるための3つのコツ
終活は一度で完成させるものではなく、人生の変化に合わせて少しずつ更新していくものです。焦らず続けるために、次の3つを意識してみてください。
終活は「やらなきゃいけない宿題」ではなく、「自分の暮らしを整えるツール」です。気負わず、できる範囲で続けることがいちばん大切です。
最初の一歩を終えたら、次にやること
現状把握とエンディングノート、最初の3ステップを終えたら、終活の土台は完成です。そのあとは、興味を持てたところから少しずつ広げていきましょう。次のステップの例を挙げておきます。
Death Tech Japanでは、終活・相続・グリーフケアなど、人生の備えに役立つ情報を発信しています。私たちの取り組みについては運営者情報のページをご覧ください。あなたの「終活を何から始めるか」という最初の迷いが、この記事で少しでも軽くなっていればうれしく思います。今日できる小さな一歩から、ぜひ始めてみてください。
よくある質問(FAQ)
終活は20代から始めるのは早すぎますか?
早すぎることはありません。むしろ持ち物や契約が少ない若いうちのほうが整理しやすく、終活を始めやすいタイミングです。最初から大がかりな準備をする必要はなく、現状把握とエンディングノートから気軽に始められます。
終活は何から始めるのが正解ですか?
まず「現状把握」をして、それをエンディングノートに書き出すことから始めるのがおすすめです。お金とデジタル情報の現状を書き出し、その存在を家族に伝える。この3ステップが終活の最初の一歩になります。
エンディングノートにお金はかかりますか?
無料で始められます。多くの自治体が無料でエンディングノートを配布・PDF公開しているほか、スマホの標準メモアプリでも十分です。100円ショップの市販品もあります。最初からお金をかける必要はありません。
デジタル終活では何をすればいいですか?
使っているアカウントやサブスク、ネット上の金融サービスをリスト化し、もしもの時に家族がたどり着ける手がかりを残すことが基本です。パスワードそのものは直接書かず、管理場所だけを残すと安全です。
エンディングノートと遺言書は違うものですか?
違います。エンディングノートは自分の情報や希望を自由に書き残すノートで、法的な効力はありません。一方、遺言書は財産の分け方などについて法的な効力を持つ書類です。若い世代はまずエンディングノートから始めれば十分です。
終活を始めても続けられるか不安です。
一度で完成させる必要はありません。一日15分、書ける項目から埋めれば十分です。就職や引っ越しなど生活が変わった節目に見直して書き足していけば、無理なく最新の状態を保てます。完璧を目指さず、できる範囲で続けることが大切です。
