弔電 文例 ビジネス|上司・取引先に使える例文と敬称・忌み言葉

ビジネスの場で訃報に接したとき、参列できない代わりに弔意を伝える手段が「弔電(ちょうでん)」です。とくに上司や取引先が関係する場面では、敬称の選び方ひとつ、忌み言葉ひとつで印象が大きく変わります。この記事では、弔電の基本から、上司・取引先・同僚・部下といった関係別の文例、宛名や差出人の書き方、避けるべき表現、送るタイミングと手配方法までを、すぐ使える文例とともに整理しました。急な弔事で迷ったときに、そのまま参照できる構成にしています。
弔電とは何か|送り方の基本を押さえる

弔電とは、通夜や葬儀・告別式に参列できないときに、お悔やみの気持ちを文章にして届ける電報です。式の中で読み上げられることが多く、遺族や参列者に弔意が伝わる役割を持ちます。香典や供花と違って返礼(香典返しなど)を必要としないため、遺族に金銭的・手続き的な負担をかけずに弔意を示せる点が、ビジネスシーンで選ばれる理由のひとつです。
送り方の流れはシンプルです。まず喪主の氏名と葬儀会場・日時を確認し、次に文面を整え、最後に電報サービスへ申し込みます。会場と式の開始時刻に間に合うよう手配することが最も重要で、文面の巧拙よりも「式に間に合っていること」が優先されます。
- 宛先:原則として喪主宛。葬儀を行う会場(斎場・寺院など)へ届ける
- 届けるタイミング:通夜に間に合うのが理想。難しければ葬儀・告別式の開始前まで
- 文字数の目安:ビジネスの弔電は150〜300字程度が読みやすい
- 差出人:会社名・役職・氏名を正確に記載し、受け手が誰からの弔電か一目で分かるようにする
- 返礼の要否:弔電単独では返礼不要。香典や供花を併せる場合は別途配慮する
葬儀全般の流れやマナーをあわせて確認しておきたい場合は、葬儀に関する記事も参考にしてください。
シーン別・関係別の弔電文例集
ここからは、ビジネスでよくある場面ごとに、そのまま使える文例を示します。いずれも故人と喪主の関係に応じて敬称が変わる点に注意してください(敬称は後述)。文中の「故人氏名」「会社名」などは、実際の情報に置き換えて使用します。
取引先(代表者・役員・社員本人)へ送る弔電
取引先の関係者が亡くなった場合、原則として会社名義で送ります。相手企業の代表者や役員が亡くなったときは会社名義、担当者本人が亡くなったときは担当部署または会社名義が一般的です。形式を重んじ、丁寧で簡潔な文面にまとめます。
| 場面 | 文例 |
|---|---|
| 取引先の社長・会長の逝去 | 貴社社長 ◯◯様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。生前のご厚情に深く感謝するとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。貴社の益々のご発展を社員一同祈念しております。 |
| 取引先の役員の逝去 | 貴社専務 ◯◯様のご訃報に接し、謹んで哀悼の意を表します。ひとかたならぬご指導を賜りましたことに、深く感謝申し上げます。安らかなご永眠を心よりお祈りいたします。 |
| 取引先の担当者本人の逝去 | ◯◯様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。日頃より格別のご厚誼を賜り、誠にありがとうございました。ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げますとともに、安らかなご冥福をお祈りいたします。 |
| 取引先社員のご家族の逝去 | ご尊父様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。さぞお力落としのことと拝察いたします。ご遺族の皆様のご心痛をお慰めする言葉もございません。心よりご冥福をお祈りいたします。 |
上司本人・上司のご家族へ送る弔電
上司が関わる弔電は、敬意を保ちつつも形式的になりすぎず、これまでの指導への感謝を一文添えると気持ちが伝わります。上司本人が亡くなった場合と、上司のご家族が亡くなった場合で文面を分けます。
| 場面 | 文例 |
|---|---|
| 上司本人の逝去 | ◯◯部長のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。公私にわたり温かいご指導を賜りましたこと、生涯忘れません。在りし日のお姿を偲び、心よりご冥福をお祈りいたします。 |
| 上司の父の逝去(上司宛) | ご尊父様のご逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します。さぞお力落としのことと存じます。どうかお身体をお大事になさってください。安らかなご永眠を心よりお祈り申し上げます。 |
| 上司の母の逝去(上司宛) | ご母堂様のご訃報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。ご遺族の皆様のご心痛はいかばかりかとお察しいたします。心よりご冥福をお祈りいたします。 |
| 上司の配偶者(夫)の逝去 | ご主人様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。突然のことに、ただ驚くばかりでございます。ご遺族の皆様が一日も早く心穏やかな日々を取り戻されますよう、心よりお祈りいたします。 |
同僚・部下のご家族へ送る弔電
同僚や部下のご家族が亡くなった場合は、形式ばりすぎず、相手を気遣う言葉を中心にすると寄り添う気持ちが伝わります。職場一同の連名で送るケースも多くあります。
| 場面 | 文例 |
|---|---|
| 同僚の父の逝去 | ご尊父様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。さぞお辛いことと存じますが、どうかご無理をなさらないでください。安らかなご冥福をお祈りいたします。 |
| 同僚の母の逝去 | ご母堂様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。お力落としのことと拝察いたします。職場一同、心よりご冥福をお祈りしております。 |
| 部下の家族の逝去 | このたびはご家族の悲しいお知らせに接し、謹んでお悔やみ申し上げます。心身ともに大変な時期かと存じます。どうかお身体を大切に。安らかなご永眠をお祈りいたします。 |
| 同僚本人の逝去 | ◯◯さんのあまりに早いご逝去に、言葉もございません。共に働いた日々を思い起こし、深い悲しみに包まれております。心よりご冥福をお祈りいたします。 |
社葬・友人へ送る弔電
社葬は企業として執り行う格式の高い葬儀のため、文面も改まった表現を用います。友人への弔電は、関係性に応じて気持ちのこもった言葉を選んでかまいません。
| 場面 | 文例 |
|---|---|
| 社葬(取引先) | 貴社元会長 ◯◯様のご逝去に際し、謹んで哀悼の意を表します。永年にわたり業界の発展にご尽力されたご功績を偲び、深く敬意を表します。貴社の弥栄を祈念するとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。 |
| 友人本人の逝去 | 突然の訃報に、ただ呆然とするばかりです。共に過ごした日々が次々と思い出されてなりません。どうか安らかに眠ってください。心よりご冥福をお祈りいたします。 |
| 友人の親の逝去 | ご尊父様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。あなたのお気持ちを思うと、胸が痛みます。何か力になれることがあれば、いつでも声をかけてください。 |
職場の人間関係や弔事での立ち振る舞いに迷ったときは、コミュニティに関する記事もあわせてご覧ください。
宛名・差出人・敬称の正しい書き方
宛名は喪主のフルネームが基本
弔電の宛名は、喪主の氏名をフルネームで書くのが基本です。喪主が分からない場合は「(故人氏名)様 ご遺族様」とすることもできます。届け先は喪主の自宅ではなく、通夜・葬儀が行われる斎場や寺院など、式の会場とするのが原則です。会場名・住所・式の開始日時を正確に確認してから手配します。
差出人は会社名・役職・氏名を明記
ビジネスの弔電では、差出人を「会社名+部署名+役職+氏名」の順で正確に記載します。受け取った遺族や葬儀社が、どの会社の誰からの弔電かを式中に正しく読み上げられるようにするためです。会社名義で送る場合は「株式会社◯◯ 代表取締役 ◯◯◯◯」、部署一同で送る場合は「株式会社◯◯ 営業部一同」のように書きます。
故人の敬称(続柄)一覧
弔電の文中で故人を指す敬称は、「喪主から見た故人の続柄」で決まります。誰に宛てて送るか(誰から見た続柄か)で呼び方が変わるため、宛先と故人の関係を確認してから選びます。たとえば故人が同僚の父で、喪主が同僚の母(=故人の妻)なら、喪主宛では「ご主人様」、同僚本人宛なら「ご尊父様」となります。
| 故人の続柄 | 敬称 | 読み方 |
|---|---|---|
| 父 | ご尊父様 | ごそんぷさま |
| 母 | ご母堂様 | ごぼどうさま |
| 夫 | ご主人様 | ごしゅじんさま |
| 妻 | ご令室様 | ごれいしつさま |
| 息子 | ご子息様・ご令息様 | ごしそくさま・ごれいそくさま |
| 娘 | ご令嬢様 | ごれいじょうさま |
| 兄 | ご令兄様 | ごれいけいさま |
| 姉 | ご令姉様 | ごれいしさま |
| 弟 | ご令弟様 | ごれいていさま |
| 妹 | ご令妹様 | ごれいまいさま |
| 祖父 | ご祖父様 | ごそふさま |
| 祖母 | ご祖母様 | ごそぼさま |
忌み言葉・避けるべき表現

弔電では、不幸が重なる・繰り返すことを連想させる言葉や、直接的すぎる表現を避けます。とくにビジネス文面では無意識に使いやすい言葉が含まれるため、送信前に必ず読み返して確認します。
| 分類 | 避ける言葉 | 言い換え・対応 |
|---|---|---|
| 重ね言葉(不幸の重なりを連想) | 重ね重ね/たびたび/いよいよ/ますます/返す返す | 「深く」「心より」など別表現に置き換える |
| 繰り返しを連想する言葉 | 再び/引き続き/追って/再三 | 使用を避ける |
| 直接的な死の表現 | 死ぬ/死亡/死去/生存中 | ご逝去/ご永眠/ご他界/生前 |
| 不吉な数字 | 四(し=死)/九(く=苦) | 表現を言い換える |
| 宗教観に合わない語 | 「ご冥福」「成仏」(仏教以外の場合)/「天国」(仏教の場合) | 宗派が不明・神式・キリスト教では「ご平安をお祈りします」等 |
とくに見落としやすいのが「重ね重ね」「再び」といった、丁寧さを表そうとして使ってしまう言葉です。また「ご冥福をお祈りします」は仏教的な表現のため、相手の宗派が神式やキリスト教と分かっている場合は「ご平安をお祈り申し上げます」「安らかなお眠りをお祈りいたします」などに置き換えると安心です。
送るタイミングと手配方法

通夜に間に合うのが理想
弔電は通夜の開始前に会場へ届くよう手配するのが理想です。通夜に間に合わない場合は、翌日の葬儀・告別式の開始前までに届けます。弔電は式中に読み上げられるものなので、式が終わった後に届くと、かえって遺族の負担になることがあります。訃報を知ったのが遅く、葬儀・告別式にも間に合わない場合は、弔電ではなく、後日改めてお悔やみの手紙を喪主宅に送るのが丁寧な対応です。
NTT(D-MAIL・115)と民間サービス
手配方法は大きく「NTTの電報」と「民間の電報サービス」に分かれます。それぞれの特徴を整理しました。
| 手配方法 | 申込み | 特徴 |
|---|---|---|
| NTT D-MAIL(Web) | 専用サイトから24時間申込み可能 | 当日配達を希望する場合、概ね午後2時までの申込み完了で当日中に全国へ届けられる(地域・繁忙状況により異なる) |
| NTT「115」(電話) | 電話番号115へ発信 | オペレーターに口頭で依頼。インターネットに不慣れな場合に便利 |
| 日本郵便 レタックス | Web・郵便窓口 | 郵便ネットワークを使った電報サービス |
| 民間電報サービス | 各社サイト・電話 | 台紙やお悔やみ用デザインが豊富。地域によっては当日お急ぎ便など短時間配達に対応する場合がある |
当日配達の締め切り時刻や配達可能エリアはサービスや地域によって異なります。急ぎの場合は、申込み前に各サービスの締め切り時刻と配達範囲を必ず確認してください。文面だけでなく、お悔やみにふさわしい落ち着いた台紙を選ぶことも、ビジネスの場では印象に関わります。
弔電と香典・供花の関係
弔電・香典・供花は、いずれも弔意を示す手段ですが、性質が異なります。弔電は文章で気持ちを届けるもので、単独であれば返礼を必要としません。一方、香典や供花を受け取った遺族は、香典返しなどの返礼を行うのが一般的で、その分の負担が生じます。
| 手段 | 内容 | 返礼の要否 | ビジネスでの使い方 |
|---|---|---|---|
| 弔電 | お悔やみの文章を届ける電報 | 原則不要 | 参列できないときの弔意表明。最も手軽 |
| 香典 | 金銭を包んで渡す | 香典返しが生じる | 会社・個人の関係に応じて。社内規定の確認を |
| 供花 | 祭壇周りに供える花 | 返礼が生じる場合がある | 取引先・役員クラスでは会社名義で出すことも |
ビジネスでは、参列・香典・供花のいずれも難しい場合に、まず弔電で弔意を示すという選び方が現実的です。関係が深い取引先であれば、弔電に加えて供花を会社名義で手配することもあります。香典や供花を併せて出す場合は、社内の慶弔規定や金額の慣行を事前に確認しておくと判断に迷いません。葬儀後に必要となる各種手続きについては、死後手続きに関する記事も参考になります。
まとめ|上司・取引先への弔電で外さないために
ビジネスの弔電は、(1)喪主宛・会場宛で手配する、(2)故人の続柄に合った敬称を選ぶ、(3)忌み言葉を避ける、(4)通夜・葬儀の開始前に届ける、という4点を押さえれば大きく外すことはありません。上司や取引先が関わる場面ほど、感謝を一文添えた丁寧な文面が信頼につながります。急な弔事でも落ち着いて対応できるよう、この記事の文例と敬称一覧をブックマークしておくと安心です。
終活や葬送に関する基本的な考え方は、運営者についてのページでも紹介しています。
