家系図エクセルの作り方|図形とセル結合の2方式を手順解説

「家系図をパソコンで作りたいけれど、専用ソフトを買うのはためらう」——そんなとき、多くの家庭のパソコンに入っているExcel(エクセル)は、家系図づくりの心強い味方になります。Excelは無料の専用アプリほど自動化されてはいませんが、表計算ソフトならではの「マス目」を生かせば、人物の枠や線をきれいに揃えた家系図を、追加・修正しながら何度でも作り直せます。
この記事では、Excelで家系図を作る具体的な手順を、準備から完成・共有まで順を追って解説します。作り方は代表的な2つの方式(①図形+テキストボックスで作る方法、②セルの結合+罫線で作る方法)を、リボンの操作名まで明示して紹介します。あわせて、きれいに揃えるコツ、記号や線の引き方、印刷・PDF保存、テンプレートの活用やWord・専用アプリとの比較まで網羅します。家系図そのものの基本ルールを先に知りたい方は、家系図の書き方・完全ガイドを先に読んでおくとスムーズです。
Excelで家系図を作るメリットと向き・不向き

まず、なぜExcelで家系図を作るのか、その利点と限界を整理します。手段の特徴を先に把握しておくと、自分の目的に合うかどうかを判断しやすくなります。
Excelで作る4つのメリット
- 追加ソフトの費用がかからない:すでにExcelが入っていれば、追加費用なしで始められます。無料の表計算ソフト(Googleスプレッドシートなど)でも近い操作が可能です。
- 修正・追記が簡単:人物が増えたり間違いに気づいたりしても、図形やセルを動かすだけで直せます。手書きのように一から書き直す必要がありません。
- マス目で配置を揃えやすい:列幅と行高を細かく設定すれば「方眼紙」のように使え、人物枠や線をまっすぐ・等間隔に整えられます。
- 印刷・PDF化・共有がしやすい:完成後はそのまま印刷でき、PDFに書き出して家族にメールで送ったり、クラウドで共有したりするのも簡単です。
Excelが不向きなケース
一方で、人物が数十人を超える大規模な家系図や、入力するだけで自動的に作図してほしい場合は、Excelだと配置の手間が増えます。そうした場合は家系図専用のアプリやWebツールのほうが向いています。手段ごとの違いは記事後半の比較表で詳しく整理します。まずは祖父母・両親・自分を中心とした3〜4世代であれば、Excelで十分きれいに作れます。
作り始める前の準備
いきなりExcelに向かう前に、2つの準備を済ませておくと作業がスムーズです。準備を飛ばすと、途中で情報が足りなくなったり、配置をやり直したりと手戻りが増えます。
準備1:載せる人物と関係を書き出す
まず、家系図に載せる人物を紙やメモアプリに洗い出します。氏名・続柄・分かれば生年と没年をセットで控え、「誰と誰が夫婦か」「誰の子か」という関係も整理しておきます。情報の根拠になるのは戸籍謄本です。現在の戸籍から改製原戸籍・除籍へと遡って集めます。戸籍を遡る具体的な方法は家系図を自分で作る完全ガイドでも解説しています。
準備2:縦型か横型かを決める
家系図には、世代を上から下へ並べる「縦型(タテ系図)」と、左右に並べる「横型(ヨコ系図)」があります。世代数が多いなら横型、人数を多く載せたいなら縦型が向くなど、紙の向き(A4縦・A4横・A3)とあわせて先に決めておくと、配置で迷いません。本記事では一般的な縦型(上から下へ世代が進む形)を例に手順を説明します。
共通の下準備:シートを「方眼紙」にする
どちらの作り方でも、最初にシートのマス目を細かく正方形に整えておくと、その後の配置が格段に楽になります。手順は次のとおりです。
- シート左上の全選択ボタン(行番号と列名が交わる角)をクリックし、全セルを選択します。
- いずれかの列名(A・Bなど)を右クリックし、「列の幅」で「2」程度の小さい値を入力します。
- 同じく行番号を右クリックし、「行の高さ」で「15」程度を入力します。列の幅「2」と行の高さ「15」はおおむね正方形に近くなります(環境により微調整します)。
- 図形を扱う方式では、見やすさのため「表示」タブの「目盛線」のチェックを外し、セルの枠線を非表示にしておくと仕上がりがきれいです。
作り方①:図形+テキストボックスで作る
1つ目は、人物の枠を「テキストボックス」で作り、人物どうしを「線(コネクタ)」でつなぐ方法です。レイアウトを自由に動かせるため、後から人数が増えても崩れにくいのが利点です。Excelで本格的に家系図を作るなら、まずこの方式がおすすめです。
手順1:人物枠(テキストボックス)を作る
「挿入」タブ →「テキスト」→「テキストボックス」を選び、シート上でドラッグして枠を描きます。縦書きにしたい場合は「縦書きテキストボックス」を選びます。枠の中に氏名を入力し、続柄や生没年を改行して添えます。1人分ができたら、その枠をコピー&ペースト(Ctrl+C → Ctrl+V)して人数分を複製すると、大きさと書式が揃って効率的です。
手順2:世代ごとに枠を配置する
複製した枠を、世代ごとに上から下へ並べます。一番上に最も古い世代(祖父母など)、その下に親世代、さらに下に自分の世代、という順です。同じ世代の人物は同じ高さに並べると、関係がひと目で分かります。枠を動かすとき、Altキーを押しながらドラッグすると、セルの枠線(マス目)に吸着して、位置をきれいに揃えられます。
手順3:整列機能で位置を揃える
同じ世代の枠をまとめて選びます(1つ目をクリックし、Shiftキーを押しながら他をクリック)。選択した状態で「図形の書式」タブ →「配置」を開くと、「上揃え」「左右に整列」などが選べます。これで複数の枠の高さや間隔をワンクリックで均等にできます。手作業で揃えるより速く、ずれもなくなります。
手順4:線(コネクタ)で関係をつなぐ
人物枠を配置したら、関係を線で結びます。「挿入」タブ →「図形」から、夫婦は直線、親子はカギ線コネクタ(直角に曲がる線)を選ぶと整います。コネクタは始点の枠の縁から終点の枠の縁へドラッグすると、枠に接続点が現れて吸い付きます。枠を動かしても線が追従するため、後からの修正に強いのが利点です。線の太さや色は、線を選んで「図形の書式」タブ →「図形の枠線」から変更できます。
手順5:グループ化して仕上げる
全体が完成したら、ずれ防止のために図形をまとめます。全体をドラッグで囲んで選択するか、Ctrl+Aで図形を選び、右クリック →「グループ化」→「グループ化」を選ぶと、ひとかたまりとして扱えます。これで誤って一部だけ動かしてしまう事故を防げ、移動やコピーも一括でできます。修正したいときは同じ手順で「グループ解除」を選びます。
作り方②:セルの結合+罫線で作る
2つ目は、図形を使わず、セルそのものを人物枠に見立てて「罫線」で線を引く方法です。図形の配置に慣れていない方でも、表を作る感覚で進められます。線がセルの枠に沿うため、まっすぐな線を引きやすいのが特長です。一方で、後から人物を間に挿入するとレイアウトが崩れやすいため、人数があらかじめ確定している場合に向きます。
手順1:人物枠になるセルを結合する
方眼紙状にしたシート上で、1人分の枠にしたい範囲(例:横4マス×縦2マス)をドラッグで選択し、「ホーム」タブ →「セルを結合して中央揃え」をクリックします。結合したセルに氏名を入力すれば、それが1人分の人物枠になります。同じ大きさの枠を複数作るときは、結合したセルをコピーして貼り付けると、サイズが揃って手早く配置できます。
手順2:枠に罫線(外枠)を引く
人物枠にしたセルを選び、「ホーム」タブ →「罫線」ボタンの右の▼から「外枠」を選ぶと、枠の周囲に線が引かれます。これで人物の四角が表現できます。細かく線種を指定したいときは「その他の罫線」を開き、線のスタイル(実線・太線など)や色を選んでから、引きたい辺をクリックします。
手順3:関係線を罫線で引く
夫婦や親子の関係は、空いているセルに罫線を引いて表現します。夫婦は横線、親子は縦線が基本です。線を引きたいセルを選んで「罫線」から「下罫線」「左罫線」などを使い分けるか、「罫線の作成」(鉛筆アイコン)でなぞるように引く方法もあります。マス目が細かいほど、線の位置を細かく調整できます。
どちらの方式を選ぶか
「後から人物を増やす可能性がある」「配置を自由に動かしたい」なら①の図形方式、「人数が決まっていて、表を作る感覚で進めたい」なら②のセル結合方式が向いています。次の表で違いを整理します。
| 比較項目 | ①図形+テキストボックス | ②セルの結合+罫線 |
|---|---|---|
| 枠の作り方 | テキストボックスを配置 | セルを結合して罫線 |
| 線の引き方 | コネクタ・直線図形 | セルの罫線 |
| 配置の自由度 | 高い(自由に移動可) | 低い(マス目に依存) |
| 人物の追加 | 崩れにくい | 挿入で崩れやすい |
| 向いている人 | 更新を続けたい人 | 人数が確定している人 |
記号と線の引き方のルール
Excelの操作とは別に、家系図そのものの記号ルールを押さえておくと、誰が見ても正しく読める図になります。基本は次のとおりです。
- 性別:一般的に男性は四角(□)、女性は丸(○)で表します。Excelでは枠の形を使い分けるか、枠は同じにして氏名の前に記号を添える方法でも構いません。
- 夫婦:横線(=)で結びます。①の方式なら直線図形、②なら横の罫線で表します。
- 親子:縦線でつなぎます。夫婦の線の中央から下へ伸ばし、子へ枝分かれさせます。
- きょうだいの並び:年長者を左(縦型なら左)に置くのが慣例です。
記号の細かな使い分けや、養子・再婚など特殊なケースの線の引き方は、家系図の書き方ガイドで詳しく解説しています。手書きでの線の引き方を参考にしたい場合は手書きの家系図の書き方もあわせてご覧ください。
きれいに揃えるコツ
家系図の見やすさは「揃っているか」で大きく決まります。Excelならではの揃えるコツを5つ紹介します。
- 列幅・行高を統一して方眼紙にする:最初に全セルの幅と高さを揃えておくと、枠も線もマス目に沿ってまっすぐ並びます。これが揃えるための土台です。
- 同じ世代を同じ高さに置く:祖父母は祖父母どうし、親は親どうしと、世代ごとに高さ(行)をそろえると、関係が直感的に読み取れます。
- Altドラッグとグリッド吸着を使う:図形方式では、Altキーを押しながら動かすとマス目に吸着します。微妙なずれを手作業で直す手間が省けます。
- 「配置」機能で一括整列する:複数の枠を選び「図形の書式」→「配置」で上揃え・左右に整列を使えば、間隔も高さも一発で均等になります。
- 文字サイズと枠の大きさを統一する:氏名のフォントサイズと枠の縦横を全員で揃えると、整然とした印象になります。余白も一定に保ちます。
印刷・PDF保存・共有の方法
家系図が完成したら、印刷したりPDFに書き出したりして、紙でも残せる形にしておきましょう。共有や引き継ぎのために、デジタルと紙の両方で保管しておくと安心です。
印刷範囲とページ設定を整える
Excelの家系図はセルが多いため、そのまま印刷すると余計な範囲まで出てしまいます。まず家系図の範囲をドラッグで選択し、「ページレイアウト」タブ →「印刷範囲」→「印刷範囲の設定」を指定します。続いて「ファイル」→「印刷」のプレビューで、用紙の向き(横長なら横)や「シートを1ページに印刷」などの拡大縮小を調整し、はみ出さないことを確認します。改ページの位置は「表示」タブ →「改ページプレビュー」で青い線をドラッグして調整できます。
PDFに保存する
PDFにすれば、相手の環境を問わず同じ見た目で共有できます。「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPSドキュメントの作成」を選ぶか、「ファイル」→「名前を付けて保存」でファイル形式を「PDF」に変えて保存します。書き出す前に印刷範囲とページ設定を整えておくと、PDFも家系図の範囲だけにまとまります。
共有・バックアップする
PDFにしたファイルは、メールに添付したり、クラウドストレージ(OneDrive・Googleドライブなど)に置いて家族とリンク共有したりできます。元のExcelファイルもクラウドに保存しておけば、後から人物を追記する更新も簡単で、パソコンの故障時にも失われません。紙の家系図とあわせて、デジタルでも二重に残しておくのがおすすめです。
テンプレートの活用とWord・専用アプリとの比較

一から作るのが大変な場合は、配布されている家系図テンプレートを使う手もあります。また、Excel以外の選択肢と比べて、自分の目的に合う手段を選ぶことも大切です。
テンプレートを活用する
Excel形式の家系図テンプレートは、無料で配布しているサイトが複数あります。あらかじめ枠と線が組まれているため、氏名を入力するだけで形になり、ゼロから作るより手早く仕上がります。利用するときは、自分の家族構成(人数・世代数・縦型/横型)に近い型を選ぶと修正が少なく済みます。配布元の利用規約(個人利用の可否など)を確認したうえで使いましょう。
Excel・Word・専用アプリの比較
家系図を作るデジタル手段は、Excelのほかにもあります。それぞれの長所・短所を表で比較します。
| 手段 | 費用 | 作りやすさ | レイアウトの自由度 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| Excel | 既存なら無料 | 表組みに慣れが必要 | 高い(手動配置) | 細かく揃え、更新も続けたい人 |
| Word | 既存なら無料 | 少人数なら手軽 | 中(図形描画) | 文章主体で少人数を書きたい人 |
| 専用アプリ/Webツール | 無料〜有料 | 入力すれば自動作図 | 低い(自動配置) | 大人数を手早く作りたい人 |
Wordも図形を使えば家系図を作れますが、マス目で揃えやすいExcelのほうが、人物枠や線を整然と並べるのには向いています。逆に、人数が多く「入力するだけで自動で作図してほしい」なら専用アプリやWebツールが快適です。手段選びの全体像は家系図を自分で作る完全ガイドに比較表があります。各手段の個別記事は家系図カテゴリの記事一覧から選べます。
まとめ:Excelの「マス目」を生かして揃った家系図を
Excelで家系図を作るときは、まずシートを方眼紙状に整え、①図形+テキストボックス、または②セルの結合+罫線のどちらかの方式で人物枠と線を配置します。Altドラッグや「配置」機能を使えば、手書きでは難しい「きっちり揃った」家系図に仕上がります。完成後は印刷範囲を設定して印刷し、PDFに書き出してクラウドで共有・バックアップしておけば、家族への引き継ぎも安心です。
最初から完璧を目指す必要はありません。まずは祖父母・両親・自分の3世代を、分かる範囲で配置してみましょう。Excelなら後からいくらでも追記・修正できます。基本の書き方や続柄、戸籍の調べ方で迷ったときは、本記事内のリンク先や運営者情報もあわせて活用してください。
よくある質問
Excelの家系図づくりはパソコン初心者でもできますか?
はい、できます。とくに「セルの結合+罫線」で作る方法は、表を作る感覚で進められるため初心者に向いています。まずシートを方眼紙状にし、結合したセルに氏名を入力して罫線で枠と線を引くだけで形になります。慣れてきたら、配置の自由度が高い図形+テキストボックスの方式に進むとよいでしょう。
図形(テキストボックス)とセル結合、どちらで作るのがよいですか?
後から人物を増やす可能性があり、配置を自由に動かしたいなら図形+テキストボックスが向いています。人数が確定していて、表を作る感覚で進めたいならセルの結合+罫線が手軽です。本文の比較表を参考に、目的に合うほうを選んでください。両方を組み合わせても構いません。
枠や線をまっすぐきれいに揃えるコツはありますか?
最初に全セルの列幅と行高を揃えて方眼紙状にしておくのが基本です。図形を動かすときはAltキーを押しながらドラッグするとマス目に吸着します。複数の枠は選択して「図形の書式」タブの「配置」から上揃え・左右に整列を使うと、間隔も高さも一括で均等にできます。
作った家系図を1枚に収めて印刷するには?
家系図の範囲を選択して「ページレイアウト」タブの「印刷範囲の設定」を指定し、「ファイル」→「印刷」のプレビューで用紙の向きと「シートを1ページに印刷」などの拡大縮小を調整します。改ページの位置は「表示」タブの「改ページプレビュー」で青い線をドラッグして微調整できます。
ExcelからPDFに保存するにはどうしますか?
「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPSドキュメントの作成」を選ぶか、「名前を付けて保存」でファイル形式を「PDF」に変更して保存します。書き出す前に印刷範囲とページ設定を整えておくと、家系図の範囲だけがきれいにPDF化され、家族へのメール共有もスムーズです。
Excelと家系図専用アプリ、どちらがよいですか?
3〜4世代を細かく揃えて作り、後からも更新したいならExcelが便利です。人数が数十人と多く、入力するだけで自動的に作図してほしい場合は専用アプリやWebツールが向いています。目的と人数に合わせて選びましょう。手段ごとの違いは家系図を自分で作る完全ガイドの比較表でも確認できます。
