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死後の実務と継承 | 死後手続き

葬祭費・埋葬料の申請はいくら?金額・期限・必要書類を解説

葬祭費・埋葬料の申請はいくら?金額・期限・必要書類を解説

家族が亡くなったあと、葬儀費用の一部は健康保険から払い戻しを受けられます。会社員などが加入する健康保険からは「埋葬料(まいそうりょう)」、自営業者などが加入する国民健康保険・後期高齢者医療制度からは「葬祭費(そうさいひ)」が支給される制度です。名前が似ているため混同されがちですが、加入していた保険の種類によって、もらえる金額・申請先・呼び方がはっきり異なります

この記事では、「いくらもらえるのか」を金額表で示したうえで、申請できる人・必要書類・窓口・申請期限(2年の時効)まで、公的な一次情報をもとにわかりやすく整理します。どちらか一方しか受け取れない点や、申請しないと支給されない点など、見落としやすい注意点も解説します。

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葬祭費と埋葬料の違い|まず「どちらに該当するか」を確認

葬祭費と埋葬料の違い|まず「どちらに該当するか」を確認|葬祭費・埋葬料いくら?

葬祭費と埋葬料は、どちらも「公的医療保険から葬儀に関連して支給されるお金」という点では同じです。違いは、故人が亡くなった時点でどの公的医療保険に加入していたかにあります。両方を同時に受け取ることはできず、加入していた制度に応じてどちらか一方を申請します。

  • 埋葬料……会社員・公務員など、勤務先の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合・共済組合)の被保険者やその被扶養者が亡くなったときに支給されます。
  • 葬祭費……自営業者や無職の方など、国民健康保険(国保)の加入者が亡くなったときに支給されます。75歳以上で後期高齢者医療制度に加入していた方が亡くなったときも、同制度から葬祭費が支給されます。

判断に迷う場合は、故人が持っていた保険証(または資格確認書)の発行元を確認してください。発行元が「○○健康保険組合」「全国健康保険協会」であれば埋葬料、「○○市」「○○区」など市区町村名であれば葬祭費の対象です。退職して間もない場合などは扱いが異なることもあるため、判断がつかないときは加入していた保険者へ直接確認するのが確実です。亡くなった後の各種手続きの全体像については、死後手続きに関する記事一覧もあわせてご確認ください。

いくらもらえる?葬祭費・埋葬料の金額一覧表

最も気になる「いくらもらえるか」を制度ごとに整理します。埋葬料は全国一律で5万円と決まっているのに対し、葬祭費は市区町村が独自に定めるため、おおむね1万円〜7万円と地域差があります。下表で全体像を確認してください。

制度(加入していた保険)名称支給額の目安申請先
健康保険(協会けんぽ・健保組合・共済)埋葬料/家族埋葬料一律5万円協会けんぽ支部・健保組合など
健康保険(生計維持者がいない場合)埋葬費5万円の範囲内で実費協会けんぽ支部・健保組合など
国民健康保険葬祭費約1万〜7万円(自治体による)故人の住所地の市区町村
後期高齢者医療制度(75歳以上等)葬祭費多くは3万〜5万円(自治体による)故人の住所地の市区町村

埋葬料は全国一律5万円(家族埋葬料・埋葬費も含む)

健康保険の被保険者が亡くなったときは、その方に生計を維持されていた人へ埋葬料として5万円が支給されます。被扶養者(家族)が亡くなったときは、被保険者へ家族埋葬料として5万円が支給されます。いずれも金額は全国一律で、自治体による差はありません。

なお、埋葬料を受け取れる「生計を維持されていた人」がいない場合は、実際に埋葬を行った人へ「埋葬費」が支給されます。埋葬費は5万円の範囲内で、実際に埋葬にかかった費用(火葬料、霊柩車代、葬壇一式料など)が対象です。これらの金額や対象は、全国健康保険協会(協会けんぽ)の公式情報で確認できます。

葬祭費は自治体によって1万〜7万円と差がある

国民健康保険の葬祭費は、保険者である市区町村が金額を定めるため地域差があります。東京23区は7万円で統一されており、たとえば世田谷区の葬祭費も7万円です。一方、市町村部では3万円〜5万円が多く、自治体によっては1万円台のところもあります。後期高齢者医療制度の葬祭費も同様に都道府県の広域連合・自治体ごとに定められ、大阪市など多くの地域で5万円が採用されています。

このように葬祭費は「住んでいた市区町村」で金額が変わるため、正確な金額は故人が住民登録していた市区町村の国民健康保険課(後期高齢者医療担当課)で必ず確認してください。自治体の公式サイトで「(自治体名) 葬祭費」と検索すると、金額と申請方法が掲載されています。

申請方法と必要書類|葬祭費・埋葬料の手続きの流れ

1加入保険を確認故人の保険証や資格確認書の発行元を確認し、健康保険なら埋葬料、国民健康保険・後期高齢…2申請先を確認埋葬料は協会けんぽの都道府県支部や勤務先の健保組合、葬祭費は故人の住所地の市区町村の…3必要書類をそろえる申請書、葬儀の領収書、申請者名義の振込先口座がわかるもの、本人確認書類などを用意しま…4申請書を提出窓口で提出するか、対応していれば郵送で申請します。申請者名と故人名がわかる領収書を忘…5支給を待つ審査後、指定口座へ振り込まれます。申請から振込まで数週間〜1か月程度かかるのが一般的…
図:葬祭費・埋葬料の申請手順

葬祭費・埋葬料は、いずれも申請しなければ支給されません。役所や保険者から自動的に振り込まれることはないため、自分で手続きを行う必要があります。基本的な流れは共通しており、次の手順で進めます。

  1. 加入していた保険の種類を確認する……故人の保険証・資格確認書の発行元を見て、埋葬料(健康保険)か葬祭費(国保・後期高齢者)かを判断します。
  2. 申請先を確認する……埋葬料は協会けんぽの都道府県支部や勤務先の健保組合、葬祭費は故人の住所地の市区町村の国民健康保険課が窓口です。
  3. 必要書類をそろえる……申請書、葬儀の領収書、振込先口座のわかるもの、本人確認書類などを用意します(次項参照)。
  4. 申請書を提出する……窓口での提出のほか、多くの自治体・保険者で郵送申請にも対応しています。
  5. 支給を待つ……審査後、指定口座へ振り込まれます。申請から振込まで数週間〜1か月程度かかるのが一般的です。

埋葬料(健康保険)の必要書類と窓口

協会けんぽの場合は「健康保険埋葬料(費)支給申請書」を使います。あわせて、死亡の事実と申請者の関係を確認できる書類が必要です。一般的な必要書類は次のとおりです。

  • 健康保険埋葬料(費)支給申請書
  • 死亡を確認できる書類(事業主の証明、または死亡診断書のコピー・埋火葬許可証のコピーなど)
  • 埋葬費を申請する場合は、埋葬にかかった費用の領収書および明細
  • 申請者と故人の関係・生計維持関係を確認できる書類(必要に応じて)

申請先は、故人が加入していた協会けんぽの都道府県支部、または健康保険組合・共済組合です。在職中に亡くなった場合は、勤務先の人事・総務部門が手続きを案内してくれることも多いため、まず勤務先に相談するとスムーズです。具体的な様式や添付書類は保険者によって異なるため、提出前に必ず加入先へ確認してください。

葬祭費(国保・後期高齢者)の必要書類と窓口

葬祭費は、故人が住民登録していた市区町村の国民健康保険課(または後期高齢者医療担当課)が窓口です。多くの自治体で共通して求められるのは次の書類です。

  • 葬祭費支給申請書(窓口または自治体サイトで入手)
  • 葬儀を行ったことがわかる書類(葬儀社発行の領収書や会葬礼状など。申請者名と故人名がわかるもの)
  • 故人の保険証または資格確認書
  • 申請者(喪主・葬祭執行者)名義の振込先口座がわかるもの
  • 申請者の本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証など)

必要書類は自治体ごとに細かく異なります。直葬・火葬式(宗教的儀式を伴わない場合)でも支給対象とする自治体が多い一方、取り扱いに差があることもあるため、事前に市区町村の窓口で確認しておくと安心です。葬儀費用や相続全体の整理に不安がある場合は、相続相談に関する記事一覧もご活用ください。

申請できる人は誰?喪主・遺族の確認ポイント

申請できる人は、葬祭費と埋葬料で考え方が少し異なります。それぞれ確認しましょう。

  • 埋葬料……被保険者に生計を維持されていた人(被扶養者でなくても、生計維持関係があれば対象)。被扶養者が亡くなった場合の家族埋葬料は被保険者が申請します。生計維持者がいない場合は、実際に埋葬を行った人が「埋葬費」を申請します。
  • 葬祭費……葬祭を行った人(一般的には喪主・葬祭執行者)。葬儀の領収書の宛名になっている人が申請者となるのが基本です。

いずれも「葬儀を実際に執り行い、費用を負担した立場の人」が申請者になると考えるとわかりやすいでしょう。誰が申請者になるか迷う場合は、葬儀社の領収書の宛名を基準にすると判断しやすくなります。

申請期限は2年|時効を過ぎると受け取れない

申請期限は2年|時効を過ぎると受け取れない|葬祭費・埋葬料いくら?

葬祭費・埋葬料には、いずれも2年間の申請期限(時効)があります。これは健康保険法第193条などに基づくもので、期限を過ぎると請求する権利が消滅し、支給を受けられなくなります。ただし、起算日(数え始めの日)が制度によって異なる点に注意が必要です。

  • 埋葬料……故人が亡くなった日の翌日から2年
  • 家族埋葬料……被扶養者が亡くなった日の翌日から2年
  • 埋葬費……埋葬を行った日の翌日から2年
  • 葬祭費……葬儀(葬祭)を行った日の翌日から2年

2年という期間は一見余裕があるように感じますが、相続手続きや遺品整理に追われるうちに申請を忘れてしまうケースは少なくありません。葬儀後、落ち着いたタイミングで早めに申請することを強くおすすめします。死後の手続きには期限が定められたものが多くあるため、全体のスケジュールを把握しておくと安心です。手続き全般の進め方は、死後手続きカテゴリの記事でも詳しく紹介しています。

申請前に知っておきたい注意点

葬祭費と埋葬料はどちらか一方のみ

葬祭費と埋葬料を両方同時に受け取ることはできません。故人が加入していた制度に応じて、どちらか一方を申請します。健康保険の被保険者だった方は埋葬料、国民健康保険・後期高齢者医療制度の加入者だった方は葬祭費が対象です。職場の健康保険から埋葬料が支給される場合、自治体の葬祭費は支給対象外となるのが原則です。

退職直後の死亡は扱いが異なることがある

退職して健康保険の資格を喪失した後、一定期間内(資格喪失後3か月以内など)に亡くなった場合は、引き続き健康保険から埋葬料が支給されることがあります。退職直後に亡くなったケースでは、国保の葬祭費とどちらが対象になるか判断が難しいため、両方の窓口(協会けんぽ等と市区町村)に確認することをおすすめします。

申請しないと支給されない

繰り返しになりますが、葬祭費・埋葬料は申請して初めて支給される制度です。死亡届を提出しても自動的に給付されることはありません。「知らなかった」「忘れていた」という理由で2年の時効を過ぎてしまうと受け取れなくなるため、対象になるかどうかを早めに確認しておきましょう。制度の概要や私たちの活動については運営者情報(About)もご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 葬祭費と埋葬料は両方もらえますか?

いいえ。両方を同時に受け取ることはできません。故人が加入していた公的医療保険に応じて、健康保険なら埋葬料、国民健康保険・後期高齢者医療制度なら葬祭費のどちらか一方を申請します。

Q. 葬祭費はいくらもらえますか?

葬祭費は市区町村ごとに金額が定められており、おおむね1万円〜7万円です。東京23区は7万円、市町村部では3万〜5万円が多くなっています。正確な金額は故人の住所地の市区町村でご確認ください。

Q. 埋葬料はいくらもらえますか?

埋葬料は全国一律で5万円です。被扶養者が亡くなったときの家族埋葬料も5万円です。生計維持者がいない場合に支給される埋葬費は、5万円の範囲内で実際に埋葬にかかった費用が対象となります。

Q. 申請期限はいつまでですか?

どちらも2年です。埋葬料は亡くなった日の翌日から、葬祭費・埋葬費は葬儀(埋葬)を行った日の翌日から起算して2年で時効となり、それを過ぎると受け取れません。

Q. 直葬や火葬式でも葬祭費はもらえますか?

多くの自治体では直葬・火葬式でも葬祭費の支給対象としています。ただし支給要件は自治体によって異なる場合があるため、事前に市区町村の窓口で確認することをおすすめします。

Q. 申請は誰がすればよいですか?

葬祭費は葬祭を行った人(一般的には喪主・葬儀の領収書の宛名の人)が申請します。埋葬料は被保険者に生計を維持されていた人が申請し、家族埋葬料は被保険者本人が申請します。

本記事は2026年6月時点の公的情報をもとに作成しています。金額・申請要件・必要書類は自治体や保険者、制度改正によって変わる場合があります。申請前に、故人が加入していた市区町村の国民健康保険課、または協会けんぽ・健康保険組合など加入先の保険者の最新情報を必ずご確認ください。