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死後の実務と継承 | デジタル遺品

故人のSNS追悼アカウントとは|削除・手続きを各社別に解説

故人のSNS追悼アカウントとは|削除・手続きを各社別に解説

家族や大切な人が亡くなったあと、その人が使っていたFacebook、Instagram、X(旧Twitter)、LINEといったSNSのアカウントは、何もしなければそのまま残り続けます。放置されたアカウントは乗っ取りやなりすましの標的になりやすく、故人の名前で見知らぬ投稿や広告が表示される事例も報告されています。一方で、思い出を残すために「追悼アカウント」へ切り替える選択肢もあります。

この記事では、故人のSNSを死後どうするかを、サービスごとに「追悼アカウント化」「削除」の両面から具体的に解説します。各手続きに必要な書類、申請できる人の範囲、そして自分が元気なうちにできる生前設定までを、最新の公式仕様にもとづいて整理しました。SNSの仕様は変更されることがあるため、実際に手続きを行う前には各サービスの公式ヘルプで最新情報をご確認ください。

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故人のSNSアカウントを放置する3つのリスク

故人のSNSアカウントを放置する3つのリスク|故人のSNSと追悼アカウント

「ログインできないからどうしようもない」と放置されがちな故人のSNSですが、放置には具体的なリスクがあります。手続きを検討する前に、まず何が起こりうるのかを理解しておきましょう。

1. アカウントの乗っ取り・不正ログイン

長期間ログインのないアカウントは、第三者による不正ログインの標的になりやすい状態です。パスワードが流出していた場合、故人のアカウントが乗っ取られ、フィッシング詐欺やスパムの発信元として悪用される可能性があります。遺族はパスワードを知らないことが多く、被害に気づきにくいのが実情です。

2. なりすまし・プロフィールの悪用

故人の写真やプロフィール情報をコピーして、別の偽アカウントを作成する「なりすまし」も問題です。故人の友人や知人に対して、本人を装ってメッセージを送り、金銭を要求するといった被害につながることもあります。

3. 思い出が突然失われるリスク

特にLINEでは、故人が使っていた電話番号を解約したあと、その番号を別の人が新たに取得してLINEに登録すると、故人のアカウントが上書きされ、トーク履歴や写真にアクセスできなくなるおそれがあります。逆に「残しておきたい」場合でも、何もしなければ失われてしまう可能性があるのです。

こうしたリスクは、スマートフォンのロック解除ができないことでさらに対応が難しくなります。端末そのものが開けない場合の対処法は、故人のスマホがロック解除できないときの対処法で詳しく解説しています。

サービス別・故人のSNS対応一覧

各SNSがどのような対応を用意しているかは、サービスによって大きく異なります。まず全体像を一覧で確認しましょう。

サービス追悼アカウント削除申請生前設定申請できる人
Facebookありあり追悼アカウント管理人の指定が可能追悼化=近親者/削除=近親者
Instagramありありなし(同一会社のため将来的に連携の可能性)追悼化=誰でも可/削除=近親者
X(旧Twitter)なしあり(凍結・削除)なし遺族・遺産管理人
LINEなしありなし遺族(続柄確認書類が必要な場合あり)

大きく分けると、追悼アカウント制度があるのはFacebookとInstagramの2つ(いずれもMeta社が運営)です。XとLINEには追悼アカウントの仕組みはなく、削除(停止)の対応が中心となります。以下、サービスごとに詳しく見ていきます。

Facebook:追悼アカウントへの移行と削除

Facebookは、SNSの中でも故人対応がもっとも整備されているサービスです。「追悼アカウント」と「削除」のどちらかを選べます。

追悼アカウントとは

追悼アカウントとは、利用者が亡くなったあと、故人とつながりのある人が集まって思い出をシェアするための場所として残されるアカウントです。追悼アカウントに移行すると、プロフィールの名前の横に「追悼」と表示され、第三者が新たにそのアカウントへログインしたり投稿したりすることが制限されます。これにより、なりすましや不正利用のリスクを抑えながら、これまでの投稿や写真を残すことができます。

追悼アカウントへの移行を申請する

故人が後述の「追悼アカウント管理人」を生前に指定していなかった場合、遺族や近しい人がFacebookに移行を申請します。Facebookヘルプセンターの「追悼アカウントのリクエスト」フォームから申請でき、その際に必要となるのは次の情報です。

  • 故人の氏名
  • 故人のFacebookプロフィールのURL(リンク)
  • 故人が亡くなった日
  • 死亡を証明できる書類(死亡記事・死亡証明書など)

申請の手順や最新の必要書類は、Facebook公式の追悼アカウントのリクエストフォームで確認してください。

追悼アカウント管理人とは

追悼アカウント管理人とは、故人の追悼アカウントを限定的に管理できる人のことです。アカウントの所有者が生前に1人を指定しておくことができます。追悼アカウント管理人ができるのは、プロフィール写真やカバー写真の変更、トップへの固定投稿の管理、友達リクエストへの対応などです。一方で、故人の過去の投稿を削除したり、メッセージを読んだりすることはできません。

削除を希望する場合

追悼アカウントとして残すのではなく、完全に削除したい場合は、近親者が削除を申請できます。削除申請には、故人と申請者の関係を確認できる書類や、死亡を証明する書類の提出が求められます。一度削除すると復元はできないため、家族間でよく話し合ってから手続きを進めましょう。

追悼アカウント管理人の追加・変更・削除の詳しい操作方法は、Facebook公式の追悼アカウント管理人のヘルプページで確認できます。

Instagram:追悼アカウントと削除の違い

InstagramもFacebookと同じMeta社が運営しており、追悼アカウントの仕組みがあります。ただし、申請できる人の範囲がFacebookと異なる点に注意が必要です。

追悼アカウント化は「誰でも」申請できる

Instagramでは、追悼アカウントへの移行(メモリアル化)の申請は、家族に限らず友人など誰でも行うことができます。追悼アカウントになると、プロフィールに「Remembering(追悼)」のラベルが表示され、既存の投稿は残りますが、新たなログインや変更はできなくなります。投稿が検索結果やおすすめに表示されにくくなるため、第三者による悪用も防ぎやすくなります。

申請時に必要なのは、申請者の氏名・メールアドレス、故人の氏名・Instagramユーザーネーム、亡くなった日、そして死亡を証明できるもの(死亡証明書、訃報記事、ニュース記事のリンクなど)です。

削除は「近親者のみ」

一方、アカウントを完全に削除するリクエストは、近親者(親・配偶者・きょうだい・子など)のみに認められています。削除申請では、追悼化よりも厳格な書類が求められます。

手続き申請できる人主な必要書類
追悼アカウント化家族・友人など誰でも死亡を証明できるもの(証明書・訃報記事・ニュース記事リンク等)
削除近親者のみ故人の死亡証明書、申請者と故人の続柄を示す書類、申請者本人の身分証明書

追悼アカウントの仕組みや申請フォームの最新情報は、Instagram公式の追悼アカウントについてのヘルプ、および故人のアカウントの追悼リクエストフォームで確認してください。

X(旧Twitter):削除・停止の手続き

X(旧Twitter):削除・停止の手続き|故人のSNSと追悼アカウント

X(旧Twitter)には追悼アカウントの制度がありません。故人のアカウントについては、遺族または遺産管理人が「アカウントの停止(削除)」を依頼する形になります。

申請できる人と必要書類

申請できるのは、亡くなった方の遺族、または遺産を管理する立場にある人です。Xのヘルプセンターにある専用フォームから依頼します。主に必要となるのは次のものです。

  • 故人のアカウント情報(ユーザー名など)
  • 故人の死亡証明書のコピー
  • リクエストを送信する本人の身分証明書のコピー

手続き上の注意点

Xの故人対応では、申請後のやり取りが英語になる場合があり、書類の送付なども含めて手続きがやや煩雑になりがちです。時間に余裕をもって進めましょう。最新の手順と必要書類は、X公式の亡くなられた家族のアカウントに関するヘルプで確認できます。

LINE:アカウント削除の手続き

LINEは、登録者個人だけが利用権を持つ「一身専属」のサービスです。そのため、家族であってもアカウントを引き継いだり、トーク履歴のデータを譲り受けたりすることはできません。故人のLINEに対してできるのは、基本的に「削除」です。

削除の申請方法

故人のスマートフォンにログインできる場合は、LINEアプリの「ホーム」→「設定」→「アカウント」→「アカウント削除」から削除できます。ログインできない場合は、LINEヘルプセンターのお問い合わせフォームから、国・メールアドレス・「故人のアカウント削除」などの情報を入力して申請します。その際、本人との続柄を確認できる書類や、死亡を確認できる書類の提出を求められる場合があります。

電話番号の上書きに注意

前述のとおり、削除手続きをしなければアカウントはそのまま残ります。ただし、故人の電話番号を解約し、その番号を別の人が取得して新たにLINEに登録すると、故人のアカウントが上書きされ、トーク履歴や写真にアクセスできなくなるおそれがあります。「トーク履歴を残したい」という場合は、端末側でのバックアップを検討してから手続きを進めましょう。詳しい問い合わせ先はLINEヘルプセンターで確認できます。

手続きに共通して必要になるもの

サービスごとに細かな違いはありますが、故人のSNS手続きでは共通して次のような書類が求められます。事前に用意しておくと、複数のサービスにまとめて対応しやすくなります。

書類の種類具体例主に使う場面
死亡を証明する書類死亡診断書、死亡証明書、戸籍(除籍)謄本、訃報記事追悼化・削除のほぼすべて
続柄を証明する書類戸籍謄本、住民票など削除申請(近親者であることの確認)
申請者本人の身分証明書運転免許証、パスポート、マイナンバーカード削除申請

これらの書類は、相続や各種解約の手続きでも繰り返し使うため、葬儀後の早い段階で複数部を取得しておくと効率的です。SNSに限らずデジタル全般の整理の進め方は、デジタル終活のやり方でまとめて解説しています。

生前にできるSNSの設定

生前にできるSNSの設定|故人のSNSと追悼アカウント

故人のSNS手続きは、遺族にとって書類集めや英語でのやり取りなど負担が大きいものです。自分が元気なうちに少し準備しておくだけで、残された家族の負担を大きく減らせます。

Facebookで追悼アカウント管理人を指定しておく

Facebookでは、生前に「追悼アカウント管理人」を1人指定できます。スマホアプリの「メニュー」→「設定とプライバシー」→「設定」→「個人の情報」→「追悼アカウントの設定」から、信頼できる家族や友人を選んでおきましょう。あわせて「死後にアカウントを削除する」か「追悼アカウントとして残す」かも選べます。

IDとパスワードを家族に託す仕組みをつくる

XやLINEには生前設定の仕組みがないため、いざというときに家族が対応できるよう、利用しているSNSの一覧やログイン情報を、エンディングノートや信頼できる保管方法で家族に託しておくことが有効です。スマートフォンのパスコードや、iPhoneの「故人アカウント管理連絡先」の設定もあわせて行っておくと、より確実です。iPhone側の設定方法はiPhoneの故人アカウント管理連絡先の設定方法で解説しています。

SNSを含めたデジタル遺品全般の考え方や具体的な手続きは、デジタル遺品に関する記事一覧でまとめて確認できます。

よくある質問(FAQ)

追悼アカウントと削除、どちらを選べばよいですか?

正解は一つではありません。故人の投稿や写真を思い出として残したい場合は追悼アカウント化、なりすましのリスクをなくし完全に終わらせたい場合は削除が向いています。家族で話し合って決めるのがよいでしょう。削除は復元できないため、迷う場合はまず追悼アカウント化を選ぶ方法もあります。

パスワードがわからなくても手続きできますか?

はい、できます。Facebook・Instagram・X・LINEのいずれも、故人のパスワードを知らなくても、遺族が公式の申請フォームから追悼化や削除を依頼できます。ただし、死亡を証明する書類や続柄を示す書類の提出が必要になります。

故人のトーク履歴や投稿を見ることはできますか?

原則として、遺族が故人のメッセージやトーク履歴を読むことはできません。Facebookの追悼アカウント管理人もメッセージは読めません。LINEのトーク履歴も家族が引き継ぐことはできない仕組みです。残したい場合は、生前に本人がバックアップを取っておく必要があります。

家族以外の友人でも申請できますか?

Instagramの「追悼アカウント化」は友人など誰でも申請できます。一方、いずれのサービスでも「削除」は近親者(遺族)に限定されるのが一般的です。Facebookの追悼化の申請も近親者が中心となります。

手続きにはどれくらい時間がかかりますか?

サービスや申請の混雑状況によって異なりますが、申請から完了までに数日から数週間かかることがあります。特にXは英語でのやり取りや書類確認があり、時間がかかる傾向があります。葬儀などが落ち着いてから、余裕をもって進めるとよいでしょう。

放置しておくと何か起きますか?

乗っ取りやなりすましのリスクがあるほか、LINEでは電話番号の再利用によってアカウントが上書きされ、思い出が失われるおそれもあります。すぐに手続きできない場合でも、SNSの一覧だけは早めに把握しておくと安心です。

まとめ

故人のSNSは、放置すると乗っ取りやなりすまし、思い出の喪失といったリスクがあります。FacebookとInstagramには「追悼アカウント」として残す選択肢があり、X(旧Twitter)とLINEは削除(停止)が中心です。いずれもパスワードを知らなくても、死亡を証明する書類などを用意すれば遺族が手続きできます。

そして何より、自分が元気なうちにFacebookの追悼アカウント管理人を指定したり、SNSの一覧を家族に託したりしておくことが、残された人への最大の配慮になります。デジタル終活の一歩として、まずは自分が使っているSNSを書き出すことから始めてみてください。最新の手続きは必ず各サービスの公式ヘルプで確認しましょう。