Follow
死後の実務と継承 | デジタル遺品

故人のLINEは死後どうなる?残す方法と削除・LINE Payまで解説

故人のLINEは死後どうなる?残す方法と削除・LINE Payまで解説

大切な家族や友人が亡くなったあと、スマートフォンに残された「LINE」をどうすればいいのか——多くのご遺族が戸惑うテーマです。毎日のように交わしたトーク、最後に届いたメッセージ、思い出の写真。それらは故人とのかけがえのないつながりであり、できることなら残しておきたいと願う方も少なくありません。一方で、放置したままでいいのか、削除すべきなのか、LINE Payの残高はどうなるのか、といった現実的な疑問もつきまといます。

この記事では、故人のLINEアカウントが死後どうなるのかを、最新の公式仕様にもとづいて整理します。放置した場合のリスク、トーク履歴を残す具体的な手順、アカウントの削除方法、すでにサービスが終了したLINE Payの残高の扱い、スタンプや友だちの行方、そして生前にやっておきたいデジタル終活まで、遺族の立場に寄り添いながら実用的に解説します。誤った情報に振り回されないよう、各仕様は公式情報を確認したうえで記載しています。

TOC

故人のLINEアカウントは死後どうなるのか

故人のLINEアカウントは死後どうなるのか|故人のLINEは死後どうなる

まず押さえておきたいのは、LINEアカウントは利用者本人だけが使える「一身専属」のサービスであり、亡くなった方のアカウントを遺族が相続したり引き継いだりすることは規約上できないという点です。FacebookやInstagramのような「追悼アカウント」制度もLINEにはなく、できることは大きく分けて「そのまま残す(放置)」か「削除する」かの二択になります。

放置するとどうなるか

故人のLINEアカウントは、放置していても自動的にすぐ消えるわけではありません。何も手続きをしなければ、アカウントとトーク履歴はスマートフォンの中にしばらく残り続けます。実際、亡くなった方とのトーク画面をそのまま残し、命日などに見返しているご遺族も多くいらっしゃいます。

ただし、放置にはいくつか注意点があります。一つは、スマートフォンの契約(回線)を解約したり、端末そのものを初期化・処分したりすると、その端末内のLINEデータも一緒に失われる可能性が高いということです。「いつか整理しよう」と端末を放置している間に、機種の故障やバッテリー膨張で起動しなくなり、トークを取り出せなくなるケースもあります。残したい思い出があるなら、端末が使えるうちに早めにバックアップを取ることが重要です。

もう一つは、長期間ログインのないアカウントの扱いです。LINEは利用規約において、一定期間アクセスのないアカウントを削除できる旨を定めています。つまり、放置されたアカウントはいずれLINE側の判断で削除される可能性があります。永久に同じ状態で残り続ける保証はない、と理解しておきましょう。

アカウントを「乗っ取り」から守る視点

放置されたアカウントは、第三者による不正ログイン(乗っ取り)のリスクがゼロではありません。故人になりすまして友だちに金銭をだまし取ろうとするような悪用も、過去には報告されています。思い出を残したうえで最終的にアカウントを閉じる方針なら、後述する削除申請も検討するとよいでしょう。なお、端末そのものが開けずに困っている場合は、故人のスマホのロックが解除できないときの対処法もあわせてご覧ください。

故人のLINEトーク履歴を残す・保存する方法

1トークルームを開く残したい相手とのトークルームを開きます。2メニューを開く画面右上のメニュー(三本線のアイコン)をタップします。3その他を選ぶ「その他」をタップします。4トーク履歴を送信「トーク履歴を送信」をタップします。5保存先を選ぶメールで自分宛てに送る、クラウドストレージへ保存するなど、送信(保存)先を選んで書き…
図:故人のLINEトークを残す手順

「アカウントを整理する前に、トークだけは手元に残したい」という方は多いはずです。ここでは、端末が操作できる状態であることを前提に、トーク履歴を残す代表的な3つの方法を紹介します。いずれも故人の端末のロックが解除でき、LINEアプリにログインしている状態で操作できることが前提となります。

方法1:トーク履歴をテキストファイルで保存する

特定の人とのトークを、丸ごとテキストファイル(.txt)として書き出す方法です。手軽で、メールやクラウドに送って長期保存しやすいのが利点です。手順は以下のとおりです。

  1. 残したい相手とのトークルームを開く。
  2. 画面右上のメニュー(三本線のアイコン)をタップする。
  3. 「その他」をタップする。
  4. 「トーク履歴を送信」をタップする。
  5. 送信(保存)先を選ぶ。メールで自分宛てに送る、クラウドストレージへ保存する、などが選択できる。

この方法で書き出されるのは文字のやりとりが中心です。スタンプや写真・動画はファイル本体としては保存されず、本文中には「スタンプ」「写真」といった表示が残るだけになります。画像そのものを残したい場合は、後述のスクリーンショットや、写真を個別に端末に保存する方法を併用してください。

方法2:トーク履歴を端末内にバックアップする

LINEには、トーク履歴をクラウドへバックアップする「標準バックアップ」機能があります。iPhoneはiCloud Drive、AndroidはGoogleドライブに保存されます。設定場所は共通で、「ホーム」→「設定」→「バックアップ・引き継ぎ」→「トークのバックアップ」と進みます。

  1. 「ホーム」タブ右上の設定(歯車アイコン)を開く。
  2. 「バックアップ・引き継ぎ」→「トークのバックアップ」を選ぶ。
  3. 「今すぐバックアップ」をタップする(表示されない場合は、先にバックアップ用のPINコードの作成が必要)。
  4. PINコードを設定・入力し、バックアップを実行する。

注意点として、この標準バックアップで保存されるのはテキストメッセージが中心です。写真や動画まで含めて引き継ぐには、LINEの有料機能(LYPプレミアム会員向けのプレミアムバックアップ)が必要になります。また、標準バックアップは同じOS間(iPhone同士、Android同士)の引き継ぎが前提です。故人のLINEを別の端末で復元しようとすると、引き継ぎ操作によって元の端末のアカウントがログアウトされることがあるため、安易な復元操作はおすすめしません。まずはテキスト保存やスクリーンショットで思い出を確保するのが安全です。

方法3:スクリーンショットで残す

もっとも確実で手軽なのが、トーク画面のスクリーンショットです。プロフィール写真や名前、スタンプの絵柄、写真までそのままの見た目で残せるため、「あの会話の雰囲気をそのまま手元に置いておきたい」という方に向いています。残したいトークを開き、端末のスクリーンショット操作で画面を撮影し、写真として保存します。長いトークは複数回に分けて撮影するか、機種によっては縦長の「スクロールスクリーンショット」機能で一度に保存できる場合もあります。

保存方法残せるもの向いているケース
テキスト送信文字のやりとり中心会話を読み返せる形で長期保存したい
標準バックアップテキスト中心(写真・動画は有料機能)機能としてまとめて控えを取りたい
スクリーンショット見た目そのまま(写真・スタンプ含む)思い出の雰囲気ごと残したい

故人のLINEアカウントを削除する方法

思い出を残し終えたあと、あるいは乗っ取りなどのリスクを避けたい場合、アカウントの削除を検討します。削除の方法は、端末が操作できるかどうかで変わります。

端末から自分で削除する場合

故人の端末のロックが解除でき、LINEにログインできている状態なら、アプリ内からアカウントを削除できます。「ホーム」→「設定」→「アカウント」→「アカウント削除」と進み、画面の案内に従って手続きします。アカウントを削除すると、トーク履歴、友だち・グループ、購入したスタンプや絵文字、連携データなどがすべて消え、原則として復元できません。バックアップやスクリーンショットを済ませてから実行してください。

端末が開けない・問い合わせフォームから申請する場合

端末のロックが解除できない、すでに端末を処分してしまった、といった場合は、LINEの「お問い合わせフォーム」から、故人のアカウント削除を遺族として申請する方法があります。LINEのセーフティセンターや問い合わせ窓口からフォームにアクセスし、亡くなったご家族のアカウント削除を希望する旨を伝えます。申請の際には、故人との続柄を確認できる書類や、死亡が確認できる書類の提出を求められることがあります。

なお、削除の手続きは法律上の義務ではありません。何もしなくても問題が生じるわけではなく、「思い出として残しておく」という選択も尊重されるべきものです。ご遺族の気持ちが整理できたタイミングで判断すれば十分です。

LINE Payの残高はどうなるのか

故人がLINE Payを使っていた場合、残高の扱いが気になる方もいるでしょう。ここは仕様が大きく変わった点なので、正確に押さえておきます。

結論から言うと、LINE Payは日本国内でのサービスをすでに終了しています。送金・決済などのサービスは2025年4月30日までに順次終了しました。サービス終了前の期間には、LINE Pay残高をPayPayへ移行する受付や、本人確認済みアカウントからの銀行口座への出金などの手段が用意されていましたが、これらの受付期間はすでに過ぎています。

サービス終了後に残っている残高については、運営会社が資金決済法にもとづくユーザーへの払い戻しを予定すると公表しています。つまり、移行や出金が間に合わなかった残高がある場合でも、所定の払い戻し手続きを通じて返金を受けられる仕組みが想定されています。故人の口座に残高が残っている可能性があるなら、最新の案内を公式の特設サイトで確認し、必要に応じて手続きを行ってください。手続きでは、死亡が確認できる書類や続柄を確認できる書類、振込先口座などの提出を求められるのが一般的です。

いずれにしても、LINE Payの残高は「アカウントごと相続する」のではなく、「払い戻しという形で遺族が受け取る」性質のものだと理解しておくと、手続きの方向性がはっきりします。

スタンプ・友だち・グループの扱い

スタンプ・友だち・グループの扱い|故人のLINEは死後どうなる

故人が購入したスタンプや絵文字は、そのアカウントに紐づくものであり、他の人のアカウントへ譲渡・相続することはできません。アカウントを削除すれば、購入済みスタンプの利用権も消滅します。金銭的に「相続財産」として引き継げるものではない、と考えておきましょう。

友だちやグループについては、故人のアカウントが残っている間は、友だちリストやグループのトークもそのまま残ります。グループから故人を退会させるかどうかは、グループのメンバーで相談して決めることになります。急いで退会させる必要はなく、四十九日や一周忌など、区切りのよいタイミングまで残しておくご遺族も少なくありません。ここに「正解」はなく、関係者の気持ちを優先して決めて構いません。

生前にやっておきたいデジタル終活

ここまで読んで、「自分が亡くなったとき、家族が同じように困らないようにしたい」と感じた方も多いはずです。LINEを含むデジタル遺品は、端末のロックが解除できなければ家族が中身に一切アクセスできない、という壁にぶつかりがちです。生前にできる備えを整理しておきましょう。

  • スマートフォンのパスコード(ロック解除番号)を、信頼できる家族に伝えるか、エンディングノートなどに記して保管しておく。
  • iPhoneを使っている場合は、自分の死後に指定した人がデータにアクセスできる「故人アカウント管理連絡先(デジタル遺産プログラム)」を設定しておく。
  • LINEや各種SNS、サブスク、ネット銀行・証券などのサービス一覧を作り、家族が把握できるようにしておく。
  • 残したいトークや写真は、生前から定期的に端末外(クラウドやパソコン)にバックアップしておく。

とくにiPhoneの「故人アカウント管理連絡先」は、設定しておくだけで遺族の負担を大きく減らせる仕組みです。具体的な設定手順はiPhoneの故人アカウント管理連絡先の設定方法で詳しく解説しています。また、何から手をつければよいか分からない方は、デジタル終活のやり方の記事で全体像をつかんでから始めると進めやすいでしょう。

LINE以外のデジタル遺品(写真データ、ネット銀行、サブスクなど)の扱いについては、デジタル遺品カテゴリの記事一覧もあわせて参考にしてください。

よくある質問

故人のLINEは放置しても大丈夫ですか?

法律上、削除しなければならない義務はないため、放置しても直ちに問題が起きるわけではありません。ただし、端末を解約・処分するとデータが失われること、長期間ログインのないアカウントはLINE側の規約により削除される可能性があること、乗っ取りリスクがゼロではないことには注意が必要です。残したい思い出があるなら、端末が使えるうちにバックアップを取っておきましょう。

遺族が故人のLINEアカウントを引き継ぐことはできますか?

できません。LINEアカウントは利用者本人だけが使える一身専属のサービスで、相続や名義変更による引き継ぎは規約上認められていません。遺族ができるのは、思い出を保存したうえで「残す」か「削除する」かの判断です。

端末のロックが解除できなくてもトークを残せますか?

残念ながら、ロックが解除できない端末からトーク履歴を取り出すのは困難です。LINEのトークは基本的に端末内に保存されており、ログインできなければアクセスできません。ロック解除に困っている場合の対処法は、別記事で詳しく解説しています。生前にパスコードを共有しておくことが最大の備えになります。

故人のLINE Payに残高があるのですが、返金してもらえますか?

LINE Payは日本国内でのサービスを2025年4月末までに終了しましたが、運営会社は終了後の残高について資金決済法にもとづく払い戻しを予定すると公表しています。所定の手続きを通じて返金を受けられる見込みです。最新の案内を公式サイトで確認し、死亡が確認できる書類や続柄を示す書類、振込先口座などを用意して手続きを進めてください。

アカウントを削除するとトークや写真も消えますか?

はい。アカウントを削除すると、トーク履歴、友だち・グループ、購入済みスタンプ、連携データなどがすべて消え、原則として復元できません。残したいものがある場合は、必ずテキスト保存やスクリーンショット、バックアップを済ませてから削除してください。

故人が買ったスタンプを自分のLINEで使えますか?

使えません。スタンプや絵文字は購入したアカウントに紐づくため、他のアカウントへ譲渡・相続することはできず、アカウント削除とともに利用権も失われます。

故人のLINEとの向き合い方に「唯一の正解」はありません。思い出を大切に残しながら、ご遺族の気持ちが整ったタイミングで、無理のない範囲で手続きを進めてください。デジタル遺品全般の相談先や考え方については、Death Tech Japanについてもご参照ください。