【ニュース】お墓選びで最も気になるのは「家族に負担をかけないか」34.4% オースタンス調査

株式会社オースタンスが2026年9月10日、シニア向けサービス「趣味人倶楽部」の会員を対象にしたお墓選びに関するアンケートの結果を公表しました。お墓や供養に何らかの関心があると答えた人は72.4%。そのうえで、お墓に関して最も気になることを尋ねると、費用や供養の形よりも「家族に負担をかけないか」が34.4%で最多でした。関心の中心が、自分の希望よりも家族への配慮にあることを示す結果です。本記事は同社のプレスリリースをもとに、Death Tech Japan編集部が独自の視点で読み解きます。
リリースの要点

- 発表元は株式会社オースタンス。シニア世代向けサービスを展開し、会員数42万人・月間3,000万PVの「趣味人倶楽部」を運営している。発表日は2026年9月10日。
- 調査名は「お墓選びに関するアンケート」。対象は「趣味人倶楽部」会員で、有効回答数は497人。2026年4月18日から8月14日にWebアンケートで実施した。
- お墓や供養について、関心があると答えた人は合計72.4%。内訳は「よく考えている」22.7%、「時々気になっている」31.8%、「最近少し気になり始めた」17.9%。
- 今あるお墓についての状況では、「まだ整理中でよく分からない」が35.6%、「今あるお墓の今後を見直したい」が30.6%。
- お墓に関して最も気になることは、「家族に負担をかけないか」34.4%、「今あるお墓をどうするか悩んでいる」28.4%、「費用感が分からない」24.9%。
客観的に見ると
市場・業界の文脈
お墓や供養に関する意識調査は、近年いくつかの団体が継続して発表しています。一般社団法人終活協議会は2026年8月、約9割が「供養の形は多様化している」と実感する一方、最もよく知られているのは一般墓で79.4%だったとする調査を公表しました。同協議会が同年に行った別の調査では、「自分の代でお墓を終わらせてもよい」に共感する人が61.1%にのぼっています。供養の選択肢が広がり、承継を前提としない考え方が受け入れられつつある、という流れが複数の調査に共通して現れています。
今回のオースタンスの調査は、この流れのなかで「何が関心の中心にあるか」を問うた点に特徴があります。供養の形そのものではなく、家族への負担という切り口を最上位に置いた結果は、選択肢の多様化とは別の軸を示しています。
データの読み方
数値を受け取る前に、母集団の性質を確認しておく必要があります。対象は「趣味人倶楽部」というシニア向けサービスの会員で、一定の年齢層に偏っています。加えて、こうしたコミュニティに参加してアンケートに回答する層は、日々の生活や終活に対して比較的積極的な傾向があると考えられます。したがって、関心があるとする72.4%という数字を、シニア全体の関心度としてそのまま受け取ることはできません。
また調査期間が2026年4月18日から8月14日と約4か月に及ぶ点も、通常の短期間調査とは異なります。回答が長期間にわたって集められているため、特定の時期の関心を切り取ったものではないと理解しておくとよいでしょう。そのうえで、同一の母集団の中で「家族に負担をかけないか」が「費用感が分からない」を上回ったという順位関係は、母集団の偏りの影響を受けにくく、示唆として意味を持ちます。
複数の立場
「家族に負担をかけたくない」という思いは、多くの人に共通する自然な感情です。一方で、この配慮が一方向に働くと、かえって難しさを生む場合もあります。本人が家族のためを思って一人で決めた供養の形が、残された家族の希望と食い違う例は少なくありません。前述の終活協議会の調査でも、樹木葬などの選択で「親族との認識違い」が後悔の理由に挙がっていました。負担をかけたくないという配慮は、本人が黙って決めることではなく、家族と共有して決めることで初めて機能する、という見方もできます。
「今あるお墓をどうするか悩んでいる」が28.4%を占めた点も見逃せません。新しくお墓を選ぶ話だけでなく、すでにあるお墓の扱い、つまり墓じまいや承継の判断が、多くの人にとって現実の悩みになっていることを示しています。
Death Tech Japanの視点

どの領域の動きか
これは供養と、家族間のコミュニケーションが重なる領域の話です。お墓の選択は、費用や形式といった実務の問題であると同時に、誰が引き継ぎ、誰が世話をするのかという家族の関係の問題でもあります。今回の調査で家族への配慮が最上位に来たことは、お墓の話が個人の選好ではなく、関係の中で決めるべき事柄であることを改めて示しています。
なぜ重要か
供養の選択肢が増えたことは、選ぶ自由が広がった一方で、家族間で認識をそろえる手間を増やしました。かつて一般墓が当然だった時代には、選ぶという行為自体が少なく、認識のずれも生じにくかったといえます。選択肢が多いほど、本人と家族が同じ理解に立つための対話が必要になります。関心の中心が家族への配慮にあるという結果は、その対話の重要性が高まっていることの裏返しと読めます。
生活者にとっての意味
読者が取れる具体的な行動として、次の順序が考えられます。まず、自分の希望を一人で決め切る前に、家族に伝えて反応を聞く。次に、今あるお墓がある場合は、その承継や墓じまいをどうするかを早めに話題にする。最後に、費用の見通しを確認する。「家族に負担をかけたくない」という思いは、伝えないままでは実現しにくく、共有して初めて負担の少ない形にたどり着けます。順序としては、形を決めることより、話を始めることが先になります。
今後の展望
今後は、供養の形を提示するだけでなく、家族間の合意形成を支える仕組みが求められていくと考えられます。希望を書き留めて共有する、費用や手続きを見える化する、承継の判断を家族で確認する。こうした対話の補助にこそ、デジタルの技術が役立つ余地があります。お墓選びの支援は、商品の比較から、家族の合意づくりの支援へと重心を移していくでしょう。
まとめ
オースタンスの調査は、お墓に関して最も気になることが「家族に負担をかけないか」34.4%であり、費用や供養の形を上回ったことを示しました。対象がシニア向けサービスの会員に偏っている点には留意が必要ですが、関心の中心が家族への配慮にあるという傾向は受け取れます。負担をかけたくないという思いは、一人で決めるより家族と共有することで実現しやすくなります。まずは形を決める前に、話を始めることが出発点になります。
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出典:PR TIMES・株式会社オースタンス/元のプレスリリースを見る。本記事は当該リリースを参照し、Death Tech Japan編集部(運営:CreativePocket株式会社)が独自の視点で構成しました。
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