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【ニュース】葬祭用品メーカーがペットロスのグリーフケアアプリ「コノコト」を提供開始 月額980円

【ニュース】葬祭用品メーカーがペットロスのグリーフケアアプリ「コノコト」を提供開始 月額980円

葬祭用品メーカーの三和物産株式会社は2026年8月20日、ペットを亡くした人に向けたグリーフケアアプリ「コノコト」の提供を開始しました。動物医療グリーフケアの考え方をもとにした50の質問に答えながら思い出を振り返る機能や、写真・動画を残すアルバム、ペットへの手紙を書き残す機能などを備えます。1959年創業の葬祭用品メーカーによる、デジタル領域への新規事業です。

本記事は同社のプレスリリースをもとに、Death Tech Japan編集部が独自の視点で読み解きます。

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リリースの要点

【ニュース】葬祭用品メーカーがペットロスのグリーフケアアプリ「コノコト」を提供開始 月額980円
  • 発表・提供開始は2026年8月20日。三和物産株式会社(本社・石川県金沢市、設立1959年4月、葬祭用品の製造販売)による発表。
  • サービス名は「コノコト」。iOS/Androidに対応したグリーフケアアプリ。
  • 主な機能は5つ。50の質問(動物医療グリーフケアの考え方をもとにした質問に答えながら思い出を振り返る)、今の気持ち(その日の気持ちや感情を記録し、心の状態を可視化する)、アルバム(写真や動画で日常や特別な瞬間を記録)、手紙(ペットへの気持ちを書き残す)、ヒストリー(出会いから現在までの出来事を時系列で整理)。
  • 価格は月額980円(税込)。一部機能は無料で利用できる。
  • 背景となる数値として、一般社団法人ペットフード協会「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査」による全国の犬猫推計飼育頭数約1,567万頭を挙げ、同調査データから年間の推計死亡数を約100万頭としている。
  • 同社は、国内のペット飼育者約1,000万人の1割にあたる約100万人の利用を2031年までの目標に掲げている。

客観的に見ると

市場・業界の文脈

ペットの供養をめぐるサービスは、この10年ほどで確実に厚みを増してきました。ペット霊園や火葬事業者に加え、納骨堂、手元供養品、メモリアルグッズなど、人の葬送に準じた形で選択肢が広がっています。一方、亡くしたあとの心のケアについては、動物病院や霊園が個別に相談に応じる形が中心で、継続的に使える仕組みは限られていました。

今回のアプリは、その空白にあたる部分をデジタルで埋めようとする位置づけです。特徴的なのは、提供元が葬祭用品メーカーである点です。物としての供養用品を製造してきた事業者が、供養のあとに続く時間へ事業領域を広げた形になります。同種の動きは人の葬送分野でも見られ、葬儀社や仏壇店がオンラインの記録サービスや追悼ページを手がける例が出てきています。

なお、人向けのグリーフケアでは、対面のグループワークや専門相談が主な手段として位置づけられてきました。アプリという形式は、そうした場に行きづらい人にとっての選択肢を増やす一方、専門家の関与をどう組み込むかという設計上の課題を伴います。

データ・主張の読み方

示された数値のうち、飼育頭数の約1,567万頭はペットフード協会の実態調査によるものです。この調査は毎年実施されており、業界内で広く参照されています。ただし、調査主体が業界団体であること、推計であることは前提として押さえておく必要があります。

年間約100万頭という数字は、同調査のデータをもとにした推計であり、ペットの死亡数を直接集計した統計ではありません。犬猫の死亡について国が網羅的に把握する仕組みは整備されておらず、この分野の数値はいずれも推計にとどまります。市場規模を語る際の目安として扱うのが妥当で、確定した実数として引用するのは避けたほうがよいでしょう。

「2031年までに約100万人」という目標も、同社が掲げる事業目標です。飼育者の1割という設定の根拠は公表資料からは確認できません。実績値ではない点に注意が必要です。

賛否・複数の立場

肯定的に見れば、ペットを亡くした悲しみは周囲に理解されにくいことがあり、話す相手を見つけにくいという声は以前から指摘されてきました。自分のペースで、誰にも見せずに気持ちを書き留められる場所があることには意味があります。写真や記録が散逸せず一箇所にまとまることも、実務的な利点です。

他方で、慎重な指摘もあり得ます。グリーフケアは本来、専門的な知見を要する領域です。アプリは記録と振り返りを支える道具であり、専門的な支援の代わりになるものではありません。日常生活に支障が出ている場合や、状態が長く続く場合には、医療や専門相談につながる導線が必要です。アプリ側がそうした案内をどこまで持つかは、リリースからは確認できません。

また、質問に答えて思い出を振り返るという設計は、人によって受け止め方が異なります。気持ちの整理につながる人もいれば、まだ振り返る段階にない人もいます。使うタイミングを利用者自身が選べる設計になっているかは、実際に使ってみないと判断できない部分です。

データの扱いも論点です。写真や動画、手紙といった内容は、他人には代えがたい記録になります。サービスが終了した場合にデータをどう取り出せるのか、利用者が亡くなったあとの扱いはどうなるのか。月額課金のサービスである以上、この点の説明は利用前に確認しておきたいところです。

Death Tech Japanの視点

【ニュース】葬祭用品メーカーがペットロスのグリーフケアアプリ「コノコト」を提供開始 月額980円

どの領域の動きか

この発表は、グリーフケアとデジタルが交わる領域の動きです。死をめぐるテクノロジーの話題は、手続きの効率化や資産の整理といった実務面が中心になりがちですが、亡くしたあとの時間をどう過ごすかという領域にも、ツールが入り始めています。対象がペットであることも含めて、供養の対象と形式が多様化している現状を映しています。

なぜ重要か

ペットロスは、公的な休暇制度や社会的な儀礼の枠組みが整っていない喪失です。人の死であれば、葬儀という区切りがあり、周囲も一定の配慮をします。ペットの場合、そうした社会的な枠組みが乏しく、悲しみを表に出しにくいと感じる人がいます。記録や振り返りの場をサービスとして提供する動きは、そうした喪失に形を与える試みとして見ることができます。

生活者にとっての意味

実用的な観点では、写真や動画をひとまとめにしておく価値は、ペットに限りません。スマートフォンの中に散らばった記録は、時間が経つほど探しにくくなります。日常的に整理する習慣があれば、あとで振り返るときの負担は軽くなります。

同時に、こうしたサービスを使う際は、保存先とアカウントの管理を意識しておくとよいでしょう。月額課金のアプリに大切な記録を預ける場合、支払い方法やログイン情報が分からなくなると、データにアクセスできなくなることがあります。エクスポート機能の有無を確認し、手元にもバックアップを持っておくのが安全です。

今後の展望

ペット供養の分野は、事業者による囲い込みではなく、火葬・納骨・記録・ケアがゆるやかにつながる形が求められる段階に来ています。今回のアプリが、動物病院や霊園といった既存の接点と連携していくのか、単独のサービスとして展開するのかは注目される点です。人の葬送分野でも同様の課題があり、ペット領域での試みが先行事例になる可能性もあります。

まとめ

三和物産が提供を始めた「コノコト」は、ペットを亡くした人が思い出を記録し、気持ちを書き留めるためのアプリです。月額980円(税込)で、一部機能は無料。葬祭用品メーカーが供養のあとの時間に事業を広げた例として、また供養の対象と形式が多様化する流れを示す事例として読める発表です。示された飼育頭数や死亡頭数はいずれも推計値であり、目安として扱うのが適切です。

写真や動画といった記録を残すことは、ペットに限らずデジタル終活の実務と重なります。データの保存先やアカウントの管理についてはデジタル終活のやり方で整理しています。喪失とその後の時間に関する記事はグリーフケアのカテゴリに、写真やアカウントなど形の残らない資産の扱いはデジタル遺品のカテゴリにまとめています。

出典:PR TIMES・三和物産株式会社/元のプレスリリースを見る。本記事は当該リリースを参照し、Death Tech Japan編集部(運営:CreativePocket株式会社)が独自の視点で構成しました。

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