トレンド

【ニュース】実家を360度VRで記録し家系図とともに遺す「ハウストーリー」Leolineが提供開始、実家じまいに「記録」の選択肢

【ニュース】実家を360度VRで記録し家系図とともに遺す「ハウストーリー」Leolineが提供開始、実家じまいに「記録」の選択肢

VR制作を手がける株式会社Leolineが2026年8月5日、実家を360度VRとして記録し、写真・動画・家系図・家族年表・エピソードとあわせて残すサービス「ハウストーリー(HOWSTORY)」を発表しました。提供開始は2026年8月10日。実家じまいや生前整理の場面で、建物を「処分する」だけでなく「記録して遺す」という選択肢を示すサービスです。本記事は同社のプレスリリースをもとに、Death Tech Japan編集部が独自の視点で読み解きます。

TOC

リリースの要点

【ニュース】実家を360度VRで記録し家系図とともに遺す「ハウストーリー」Leolineが提供開始、実家じまいに「記録」の選択肢
  • 発表社は株式会社Leoline。VR撮影・制作を事業とする。発表日は2026年8月5日、サービス開始日は2026年8月10日。
  • サービス名は「ハウストーリー(HOWSTORY)」。実家を360度VRで記録し、家の情報を一つのまとまりとして残す。
  • VR空間に加えて、写真・動画・家系図・家族年表・エピソードを組み合わせて構成する。
  • 独自の撮影方法により、柱の傷や窓から見える景色、生活の様子まで細部を記録するとしている。
  • 閲覧はWebブラウザやスマートフォンから可能で、QRカードを介してアクセスする。
  • 提供の背景として、実家じまい、核家族化による家族のつながりの希薄化、空き家の増加といった社会課題を挙げている。
  • サービスは、同社代表が2021年に存命だった祖母の住まいを撮影し、逝去後に家族写真・家系図・年表・先祖の記録を一つの物語としてまとめた個人的な経験を出発点としている。

客観的に見ると

市場・業界の文脈

VRによる空間記録そのものは、不動産の内見や文化財のアーカイブ、施設の記録などで広く使われてきた技術です。近年はスマートフォンやWebブラウザだけで360度コンテンツを閲覧できる環境が整い、専用機材を持たない一般利用者でも扱いやすくなりました。今回のサービスは、その成熟した技術を「終活・実家じまい」という文脈に接続した点に新しさがあります。

同じ時期には、実家の片付けや家族の記憶の保存をテーマにしたサービス・調査の発表が相次いでいます。住まいを手放す世帯が増えるなかで、「建物の処分」と「記憶の継承」を切り分けて扱う発想は、遺品整理や生前整理の周辺で徐々に一般化しつつあります。ハウストーリーは、その流れのなかで空間そのものを記録対象に据えたサービスと位置づけられます。

主張の読み方

プレスリリースでは「ミリ単位で再現」といった表現が使われていますが、これは撮影・制作側の説明であり、再現精度の客観的な基準が示されているわけではありません。VRコンテンツの見え方は撮影機材や表示環境に左右されるため、体感される「再現度」には幅があると考えておくのが妥当です。実際の仕上がりは、事例やサンプルを確認したうえで判断するのが望ましいでしょう。

また、今回のリリースでは価格が明記されていません。撮影を伴うサービスは、対象となる家屋の広さや撮影範囲によって費用が変動しやすく、費用感は導入を検討するうえで重要な情報です。この点は、問い合わせや個別見積もりで確認すべき領域として残っています。

複数の立場から

利点は明確です。取り壊しや売却によって失われてしまう空間の情報を、事後に振り返れる形で残せます。離れて暮らす親族が同じ記録を共有でき、家系図や年表とあわせて見ることで、家という場所を軸に家族の来歴を伝えられます。

一方で、検討しておくべき論点もあります。ひとつはデータの長期保存です。閲覧をWebやクラウドに依存する形式は手軽ですが、サービスが続く限り閲覧できるという前提が伴います。提供終了時にデータをどう引き取れるか、家族の手元に残す手段があるかは、契約前に確認したいところです。もうひとつはプライバシーで、住まいの内部や家族の記録は個人情報を多く含みます。誰がアクセスできるのか、共有範囲をどう管理するのかは、記録を「遺す」目的と切り離せない検討事項です。

Death Tech Japanの視点

【ニュース】実家を360度VRで記録し家系図とともに遺す「ハウストーリー」Leolineが提供開始、実家じまいに「記録」の選択肢

どの領域の動きか

ハウストーリーは、デステックのなかでも「記憶の継承」と「空間のアーカイブ」が交わる領域に位置します。故人の声や姿を残すサービス、写真や動画を整理するサービスは各種ありますが、住まいという空間そのものを記録対象に据える取り組みは比較的新しく、実家じまいという現実的な場面と結びついている点が特徴です。

なぜ重要か

実家を手放す判断は、しばしば「残すか、失うか」という二択として重く受け止められます。空間を記録できる選択肢があると、この二択が少しやわらぎます。建物は手放しても、間取りや眺め、暮らしの痕跡は別の形で残せる——そう考えられることは、処分の判断そのものを進めやすくする可能性があります。前段で触れた別の調査では、実家の話し合いが「何から話してよいか分からない」ために止まっている実態がありましたが、記録という具体的な作業は、そうした場面で会話の入り口になり得ます。

もう一つ注目したいのは、このサービスが代表個人の経験から生まれている点です。技術起点ではなく、身近な喪失の体験を起点にしている経緯は、デステック領域のサービスにしばしば見られる特徴で、当事者の実感に沿った設計につながりやすい一方、汎用性や運用の持続性は別途問われることになります。

生活者にとっての意味

読者が取れる行動として、まず押さえておきたいのは「記録には時期がある」ということです。今回のサービスが、存命のうちに撮影した経験から生まれている点は示唆的で、住まいを記録する試みは、家が片付き人が去った後よりも、生活の痕跡が残っているうちのほうが多くを残せます。専用サービスを使うかどうかにかかわらず、実家について話が出たタイミングで、スマートフォンで各部屋を動画に収めておくだけでも、後から得られる情報は大きく変わります。

専用サービスを検討する場合は、費用・データの保存形式・共有範囲・提供終了時の扱いの4点を、事前に確認する項目として持っておくとよいでしょう。記録は残すこと自体が目的ではなく、必要なときに家族が見られる状態を保つことに意味があります。

今後の展望

空き家の増加と実家じまいの一般化を背景に、「処分」と「記録」を分けて扱うサービスは今後も広がる可能性があります。VRのように体験を伴う記録は、写真や書類とは異なる情報を残せる一方、閲覧環境やデータの継承という運用面の課題を抱えます。技術が普及するほど、記録した後に「どう保ち、どう引き継ぐか」という設計が問われるようになるはずで、その部分をどこまで生活者本位で整えられるかが、この領域の成熟を左右すると考えられます。

まとめ

Leolineの「ハウストーリー」は、実家を360度VRで記録し、家系図や年表とあわせて家族の来歴を残すサービスです。実家じまいの場面に「記録して遺す」という選択肢を加える試みであり、建物を手放す判断をやわらげる可能性があります。一方で価格は未公表で、データの長期保存や共有範囲といった運用面は、導入前に確認したい論点として残ります。専用サービスの利用有無にかかわらず、住まいの記録は生活の痕跡が残っているうちに始めるほど、多くを残せます。

関連して、以下の記事もあわせてご覧ください。

出典:PR TIMES・株式会社Leoline/元のプレスリリースを見る。本記事は当該リリースを参照し、Death Tech Japan編集部(運営:CreativePocket株式会社)が独自の視点で構成しました。

\n