【ニュース】自宅墓を選んだ理由、1位は「管理費削減」40%──100人調査が示す供養の小規模化と「その次」の課題

墓じまい代行サービス「わたしたちの墓じまい」を運営する株式会社huhuが、2026年7月27日、自宅墓に関する実態調査の結果を公表しました。自宅に遺骨を安置する「自宅墓」を選んだ100人に、選択の理由や不安、将来の遺骨の行き先を尋ねたものです。最も多かった選択理由は「管理費削減」の40.00%でした。
本記事は同社のプレスリリースをもとに、Death Tech Japan編集部が独自の視点で読み解きます。
リリースの要点

- 調査主体は株式会社huhu(墓じまい代行サービス「わたしたちの墓じまい」運営)。発表は2026年7月27日。
- 調査対象は自宅墓を選んだ100人。インターネットによるアンケートで、実施日は2026年4月14日。
- 自宅墓を選んだ理由は、「管理費削減」40.00%、「自宅で供養できる手軽さ」33.00%、「遠方の墓地に通いにくい」14.00%、「承継者がいない」11.00%、「宗教にとらわれない」2.00%。
- 検討時の不安は、「親族の反対」43.00%、「将来の遺骨の行き先」32.00%、「来客の目」25.00%、「不安はない」22.00%。
- 購入時に重視した点は、「初期費用の安さ」41.00%、「コンパクトなサイズ」39.00%、「遺骨を全部収められること」17.00%。
- 将来の遺骨の行き先は、「永代供養」38.00%、「散骨・自然に還す」31.00%、「次世代へ承継」11.00%、「未定」20.00%。
客観的に見ると
市場・業界の文脈:供養の選択肢が横に広がってきた流れの一部
自宅墓は、遺骨の一部または全部を自宅に安置して供養する形を指します。近年は永代供養墓、樹木葬、納骨堂、散骨、手元供養など、承継を前提としない供養の選択肢が増えてきました。今回の調査結果は、その広がりのなかに自宅墓を位置づけて読むのが妥当です。業界各社の調査でも、承継者を必要としない供養方法への関心は継続的に示されています。
なお、遺骨を自宅に置くこと自体は、墓地埋葬法が規制するのは「埋蔵・埋葬」であるため、自宅で保管する行為が直ちに問題になるわけではないと一般に説明されています。ただし庭に埋めるといった行為は別の扱いになります。この点は自治体や専門家により説明の細部が異なるため、実行にあたっては個別の確認が必要な領域です。
データの読み方:n=100・調査主体・設問形式の3点に留意
この調査を読むうえで押さえておきたい点が3つあります。
第一に、有効回答は100人で、しかも「自宅墓を選んだ人」という限られた母集団です。したがってこの数字は「日本人全体が自宅墓をどう考えているか」ではなく、「すでに自宅墓を選んだ人が、なぜそうしたか」を示すものです。自宅墓の普及率を語るデータではありません。
第二に、調査主体は墓じまい代行を事業とする企業です。墓じまい後の選択肢として自宅墓が挙がるため、事業領域と調査テーマが隣接しています。これは調査の価値を否定するものではありませんが、事業者による自主調査という性質は把握しておくべきです。
第三に、設問形式です。「選んだ理由」「将来の遺骨の行き先」は合計がちょうど100.00%になる一方、「検討時の不安」は4項目の合計が122.00%と100%を超えており、こちらは複数回答とみられます。単一回答と複数回答では数字の意味が変わるため、項目をまたいで単純に比較するのは避けたほうが無難です。また調査実施は4月14日で、公表までに約3か月の間隔があります。
複数の立場:合理性を評価する見方と、先送りを懸念する見方
自宅墓を前向きに捉える立場からは、次の点が挙げられます。年間の管理費がかからず、初期費用も墓地の取得に比べて抑えられること。遠方の墓地に通う負担がなくなり、日常のなかで手を合わせられること。承継者がいない場合でも選択できること。調査でも「管理費削減」と「自宅で供養できる手軽さ」が上位2つを占めており、費用と距離という現実的な理由が動機になっていることがうかがえます。
一方で、慎重な見方もあります。最大の論点は、調査自体が示している「将来の遺骨の行き先」です。永代供養38.00%、散骨31.00%と、多くの回答者が次の行き先を想定している一方、「未定」が20.00%を占めます。自宅墓は遺骨の最終的な行き先を決めた状態ではなく、決定を先に延ばす選択でもあるという指摘は成り立ちます。安置している本人が亡くなったあと、その遺骨を誰がどう扱うのかという問題は残ります。
また「親族の反対」が不安の1位(43.00%)である点も見落とせません。供養の形は本人だけで完結せず、親族間の合意が必要になる場面が多いことを示しています。「来客の目」が25.00%挙がっているのも、住まいという私的な空間に供養を持ち込むことに伴う、社会的な視線への意識と読めます。
Death Tech Japanの視点

どの領域の動きか:供養の「小規模化」と「多段階化」
この調査は、供養が小さくなっていく流れを数字で示したものと言えます。購入時に重視された点が「初期費用の安さ」41.00%と「コンパクトなサイズ」39.00%で拮抗している点は象徴的で、価格と物理的なサイズが同じくらいの重みを持っています。屋外に建てる大きな墓石から、住宅の一角に収まる大きさへ。供養の器が縮小しているという現象がここに表れています。
もう一つ読み取れるのは、供養が一度きりの決定ではなく、段階を踏むものに変わりつつあることです。自宅墓に安置し、いずれ永代供養や散骨へ移す——回答の約7割がその流れを想定しています。「お墓を建てて終わり」から、「しばらく手元に置き、あとで移す」へ。時間軸のある選択に変わってきています。
なぜ重要か:費用と距離が、供養の形を決めている
選択理由の上位が「管理費削減」と「自宅で供養できる手軽さ」、そして「遠方の墓地に通いにくい」だったことは、供養の形が信仰や慣習だけでなく、家計と地理によって決まっている現状を示しています。人が移動し、実家と現住所が離れ、承継を前提にした仕組みが合わなくなってきた——その帰結として自宅墓が選ばれている、という読み方ができます。
生活者にとっての意味:決めておくべきは「その次」
自宅墓を検討する場合、実務的に効くのは次の3点だと考えます。
- 次の行き先を、先に決めて書き残す。調査で「未定」が20.00%だった部分です。将来どこへ納めるかを決め、費用の目安まで含めてエンディングノートなどに記しておくと、遺された側が判断に迷わずに済みます。
- 親族に先に相談する。不安の1位が「親族の反対」である以上、事後の説明より事前の合意のほうが摩擦が少なくなります。
- 分骨する場合は、証明書類の所在も記録する。分骨証明書や改葬に関する書類は、後の手続きで必要になる場面があります。書類がどこにあるかを情報として残しておくことが、そのまま遺族の負担軽減になります。
今後の展望:問われるのは「引き継ぎ方」の設計
自宅墓が広がるほど、「安置している人が亡くなったあと、遺骨をどうするか」という次の問いが増えていきます。ここは供養サービス側が設計で応えられる領域で、購入時に将来の永代供養先までセットで契約する形や、次の行き先の意思を記録して家族に引き継ぐ仕組みが考えられます。供養の形を売るだけでなく、その後の道筋まで含めて提供できるかどうかが、今後の分かれ目になるのではないかと見ています。
まとめ
株式会社huhuの調査は、自宅墓を選んだ100人の動機が「管理費削減」40.00%、「自宅で供養できる手軽さ」33.00%という、費用と距離に根ざしたものであることを示しました。同時に、将来の遺骨の行き先が「未定」の人が20.00%いることも明らかにしています。自宅墓は供養の終点ではなく途中の段階になりうるため、検討する際は「その次」まで決めて書き残しておくことをおすすめします。なお本調査は自宅墓を選んだ100人が対象の自主調査であり、社会全体の傾向を示すものではない点にご留意ください。
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出典:PR TIMES・株式会社huhu/元のプレスリリースを見る。本記事は当該リリースを参照し、Death Tech Japan編集部(運営:CreativePocket株式会社)が独自の視点で構成しました。
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