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【ニュース】「日々の活動」が死別後の悲嘆の長期化を半減? ルリアン全国調査1.5万人が示すグリーフとの向き合い方

【ニュース】「日々の活動」が死別後の悲嘆の長期化を半減? ルリアン全国調査1.5万人が示すグリーフとの向き合い方

相続・終活支援を手がける株式会社ルリアン(京都市)が、全国の40~69歳・有効回答1万5,244件を集めた「相続・終活に関する全国調査2026」の結果発表第3弾を公表しました。テーマは、配偶者や近親者を亡くした後の「グリーフ(悲嘆)」。散歩や趣味、外出といった「日々の活動」を続けている人ほど、悲しみの長期化が半分程度に抑えられる傾向が示されました。本記事は同社のプレスリリースをもとに、Death Tech Japan編集部が独自の視点で読み解きます。

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リリースの要点

【ニュース】「日々の活動」が死別後の悲嘆の長期化を半減? ルリアン全国調査1.5万人が示すグリーフとの向き合い方
  • 調査主体は株式会社ルリアン。調査名は「相続・終活に関する全国調査2026」。対象は全国の40~69歳男女で、有効回答は1万5,244件(うち親の死による相続経験者は1,053件)、実施期間は2026年2月16日~18日。第3弾は2026年6月23日に発表。
  • 死別後に「長期間、強い悲嘆を抱え続けた」割合は、日常的に活動的な親で8.3%、非活動的な親で17.2%。活動の有無でおよそ2倍の差が出た。
  • 「日常生活への影響は軽度だった」と答えた割合は、活動的な親で70.8%、非活動的な親で62.5%。
  • 配偶者との死別後に最も大変だった時期は「亡くなった直後(数日~1週間程度)」が23.0%で最多。次いで「1カ月後」9.8%、「特定の時期はなく長期間」7.4%。
  • 「孤独死は避けたい」と考える割合は、独居層で33.8%、同居層で37.6%。
  • 同社は京都大学成長戦略本部と、終活・葬儀・相続分野の社会課題解決に向けた共同取組みを進めている。

客観的に見ると

①市場・業界の文脈

グリーフ(悲嘆)への社会的な関心は、この数年で確実に高まっています。葬儀社によるグリーフケアの提供、遺族会や「ひだまりの会」のような自助グループ、専門団体の資格制度などが広がり、行政も遺族支援の実態調査に乗り出しています。一方で、これまでのグリーフ支援は「専門的なカウンセリングを受けるかどうか」に議論が偏りがちでした。今回の調査が「散歩・外出・趣味といった日常の小さな活動量」という、専門機関を介さない生活習慣の側面に着目している点は、既存の議論とは異なる切り口だといえます。相続・終活事業者が自社の顧客基盤を活かして大規模なグリーフ関連データを出すこと自体も、近年の動向を映しています。

②データ・主張の読み方

有効回答1万5,244件は民間調査としては大規模ですが、いくつか留意点があります。第一に、グリーフの分析対象は「親の死による相続経験者1,053件」など回答者の一部に絞られており、全回答者の傾向とは分けて読む必要があります。第二に、これは一時点のアンケートであり、「活動しているから悲嘆が軽い」のか「悲嘆が軽いから活動できる」のか、因果の向きは断定できません(いわゆる逆の因果や、健康状態など別の要因が両方に影響している可能性)。第三に、調査主体は終活・相続サービスを提供する事業者であり、活動や外出を促す結論は同社の事業と親和的です。数値そのものは有用な手がかりですが、「活動すれば悲しみが必ず半減する」という因果的な約束としてではなく、相関を示す一つの参考値として受け止めるのが妥当でしょう。

③賛否・複数の立場

「日々の活動が回復を支える」という示唆は、多くの遺族支援の現場感覚と一致し、生活者が今日から実践できる点で価値があります。他方で、注意すべき反論もあります。悲嘆の初期には「何もできない」時期があるのは自然な反応であり、「活動しないと長引く」というメッセージが、動けない遺族に「自分の努力が足りない」という自責や焦りを与えるおそれがあります。実際、調査でも最も大変な時期は「死別直後」に集中しており、この時期にまで活動を促すのは適切とは限りません。うつや複雑性悲嘆など専門的ケアが必要なケースもあり、活動の推奨が専門的支援の代替になるわけではない、という立場も併記しておく必要があります。

Death Tech Japanの視点

【ニュース】「日々の活動」が死別後の悲嘆の長期化を半減? ルリアン全国調査1.5万人が示すグリーフとの向き合い方

①どの領域の動きか

これは「死×テクノロジー」のなかでも、グリーフケアとデータ活用が交わる領域の動きです。感情の問題として語られがちだった悲嘆を、大規模アンケートという定量データで捉え直そうとする試みであり、終活・相続の事業データが遺族支援の知見に転用され始めている点が象徴的です。

②なぜ重要か

年間の死亡数が160万人を超え「多死社会」が進むなか、遺された人のケアは社会全体の課題です。従来のグリーフ支援は担い手が限られ、専門カウンセリングに届く人はごく一部でした。「日常の活動量」という、誰でも把握しやすく、アプリやウェアラブルで可視化・後押しもしやすい指標に光を当てたことは、支援の入口を広げる可能性を持ちます。悲嘆を「見える化」する足がかりになりうる、という点で重要です。

③生活者にとっての意味

大切な人を亡くしたとき、「散歩に出る」「短時間でも外の空気を吸う」といった小さな行動が、回復の助けになりうる——この調査はそう示唆します。ただし前述のとおり、死別直後に無理をする必要はありません。生活者にとっての本当の意味は「回復を焦らせる指標」ではなく、「動けるようになったときに、日常を少しずつ取り戻すことが支えになる」という、緩やかな安心材料として受け止めることにあります。周囲の人にとっても、遺族を外出や日常へ静かに誘う関わりの後押しになるでしょう。

④今後の展望・位置づけ

今後は、こうした相関データが、健康アプリや見守りサービス、終活アプリと結びつく展開が予想されます。歩数や外出頻度といった日常のログを、遺族が自分の回復ペースを穏やかに把握するための手がかりに変えるような設計です。同時に、テクノロジーが悲嘆を「管理・最適化すべき対象」として扱いすぎないための倫理的な配慮も欠かせません。データはあくまで寄り添いの補助線であり、悲しみに正解の速度はない——その前提を守れるかが、デステック時代のグリーフケアの分かれ道になります。

まとめ

ルリアンの全国調査は、「日々の小さな活動」と死別後の悲嘆の長期化との間にある相関を、大規模データで示しました。因果を断定できない点や、死別直後に活動を強いる危うさには注意が必要ですが、悲嘆を定量的に捉え、支援の入口を広げようとする姿勢は、多死社会のグリーフケアにとって示唆に富みます。テクノロジーは、遺族を急かす道具ではなく、回復にそっと寄り添う補助線であってほしい——Death Tech Japanはそう考えます。悲しみとの向き合い方や、遺された人・遺す人のための備えについては、以下の記事もあわせてご覧ください。

出典:株式会社ルリアン(相続・終活に関する全国調査2026 結果発表第3弾)/元のプレスリリースを見る。本記事は当該リリースを参照し、Death Tech Japan編集部(運営:CreativePocket株式会社)が独自の視点で構成しました。

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